木曜日・初稽古

木曜日は土曜日と異なる人が来ているが、同じ様に相手と対立しないで、相手をいかにコントロールするかのという稽古をやった。

通常、格闘技は、相手より「力が強い」「テクニックが優れている」「体が大きい」・・・だから相手を倒すことが出来る。

という事になりがちで、だから柔道やボクシングといった格闘技は体重制が敷かれているといわれている。

しかし、東京オリンピック以前は柔道は体重制がなかった。

「柔よく剛を制す」というのが基本のスタンスだった。

「力が強い」「体が大きい」・・・だから<強い>というのは当たり前の話で、それなら

<武術>というものの存在意義がどこにあるのかということになる。

だから「テクニック=技術」が重要だということだろうが、では「テクニック=技術」とは何かが次に問題となる。

かつて平成の三四郎とうたわれた古賀稔彦選手が無差別級に挑み決勝戦で小川直也選手に敗れるも準優勝したという事がありましたが、古賀選手の動きを見ていると柔道というスポーツの限界のように思えました。

やはり体重制がなければ無理なのか・・・というとそうではないと思います。


YOU TUBEで三船十段の映像が見られますが、小柄で痩せたお年寄りが大きな相手を簡単に投げています。

古賀選手が無差別級に挑んだ映像もYOUTUBEで見られますが、かなり違います。

三船十段は「球の動き」という事を主張されており、その映像でみると、古賀選手のように体全体に力を入れて相手を投げようとはしていません。

淡々と投げており、無理して投げているというところがありません。

本来柔道を創始した嘉納治五郎氏が目指したのがこういった柔道だったのでしょう。

古賀選手も当然三船十段の映像は見ていると思いますが、小さい頃から柔道的な筋肉の動きを身に着けたため同じようには出来なかったのでしょう。

植芝盛平監修、植芝吉祥丸著の『合気道技法』(出版芸術社、平成19年復刻)に、

大正15年~昭和初めごろに盛平翁の演武を見た嘉納師範が、「これこそ自分が理想としていた武道――柔道だ」と言われたそうです。そして講道館の高弟の望月師範、富木師範を植芝翁のもとに派遣したそうです。

では合気道は自分より大きな相手を投げれるのか。

合気道開祖植芝翁は年をとってからも相撲取りや柔道家を簡単に組み伏せた逸話が残っています。

それは<逸話>に過ぎないと思うかもしれませんが、おそらく事実だと思います。

私が合気道を始めたときには開祖は既にこの世の人でなかったので、見ていませんが、開祖の直弟子と言われる先生に習っていたので<逸話>ではなく事実だろうと思います。


今から30年近く前、当時指導していただいた先生についてニューヨークの合気会道場に行きました。

護身術として習おうとしてきている女性や痩せた男性もいましたが、中には縦も横も大きい人がたくさんいました。190㎝、100㎏程度はあったと思います。

先生は彼らに掛かってこさせて、簡単に投げていました。

しかしかなり遠慮してけがをしないように気を付けていたと後で話していました。

先生の指導が終わったあと、彼らは道着をもってきて「サインしてください」と並んでいたのを今でも覚えています。

「先生のように投げるにはどうすればいいのですか」と尋ねても「こうするんです」と実演するだけでした。どう説明すればいいのか分からなかったのではないかと思います。

その後、他の先生に習った事を思い出しながら稽古を続けていると「相手と対立しない」「相手とひとつになる」・・・といった事がなんとなく実感としてわかってきました。


それが現在やっている稽古法で、「相手とぶつからない」稽古法です。かなり感覚の部分が多いので毎回説明しながらやっていますが、そのうち急にわかってくるときがあると思います。私自身そうでしたから。

(続く)



あおぞら合気道(調布)AOZORA AIKIDO (in Chofu)

2011年創設の調布市の合気道の道場。様々な年代の男女が楽しく稽古をしています。 稽古日時:毎週木曜日の19時~20時30分、土曜日13時~15時あるいは15時~17時。施設の都合で変わります。         師範(instructor):合気会6段(aikikai 6-dan) 連絡先(contact address):aozora.aiki@gmail.com

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