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以前(2023.11.24)のブログで合気道をやることの長所(メリット)という記事を書きました。

それは、①足腰が丈夫になる。②体がしなやかになり、姿勢が良くなる。③ストレスを発散できる。④護身術を覚えることが出来る。⑤ダンスのような楽しさがある。⑥心地よいコミュニケーションがとれる。

といった事でした。


この中で「③ストレスを発散できる」について私の体験を書いてみます。


1.私が合気道をはじめたのは、今から四十数年前、新社会人として会社に入って3年目に体を壊したからです。


どのような状態になったかというと、年度末で連日残業と徹夜が続き、その日も休日出勤していたとき不意に具合が悪くなり嘔吐をして倒れてしまいその後も頭痛に襲われ寝込むようになりました。

そしてそんな症状が月に一度は出るようになりました。

色々な病院に行き精密検査を受けましたが、<どこも悪くない>と言われたのですが体調が良くなることはありませんでした。


それでも何とか体を直そうとして色々と健康法を試みました。


2.そのなかで体調が良くなったと実感できたのが<合気道>でした。

道場では最初は準備運動をした後、<片手持ち一教>をやりました。

それは持たれた手を返して相手を畳にうつ伏せにして抑えるという技です。


ゆっくりと畳にうつ伏せになって受け身をとった後、普通はすぐに起き上るのですが、身体が悪い自分は片手を畳につけその腕の力でゆっくりと上半身を起こし、それからまたよろよろとしながらゆっくりと立ち上がるのがやっとでした。

相手をしてくれたのは稽古を始めて数回の普通の主婦ですが、余りの情けない状態に「大丈夫ですか」と心配そうな顔をして声をかけられました。


ただ、そんな状態で3、4回くらい通ったとき、一教の稽古をしていたとき相手の手から私の手に何か暖かい空気のようなものが流れてきました。

とても不思議な感覚でしたが、その温かい空気のようなものが<ふわっと>伝わってきて体全体を包んだ時<ほっと>した気分になりました。


それがなんだかはわかりませんがおそらく<気>だったのではないかと思っています。

その日家に帰って寝るときも体が温かくなっていました。


普通の人はそんなことを感じないと思いますが、私は体を壊していて血行が悪かったからだと思いますが、当時は寝ていても足先が冷たくなるので夏でも靴下を履いて寝ていました。

しかし、その日から足先が冷たくなることもなく気持ちよく寝ることが出来ました。


そして毎週末に道場に通うようになりました。


毎回先生の指導でゆっくりと呼吸に合わせて稽古をするのですが、当初は体調を崩し運動も出来なくなっていたので、身体の筋肉は殆ど落ち、骨と皮だけでしたので、最初は柔らかく受け身をとることもできず「ドタッ」と倒れていたのですが、やがて体も徐々に柔軟性が出てきて他の方と同じように少しずつ柔らかく受け身をとる事ができるようになりました。


そして1年くらいで普通の大人の健康を取り戻すことが出来ました。


3.結局、何故体を壊したのかというとおそらく<過剰なストレス>によるものだろうと今は思っています。

今の時代は<おかしな仕事>や<過剰な労働>は<コンプライアンス違反>として認められませんが、半世紀前の日本では今から考えると<そんなおかしな仕事>は結構ありました。

といっても私がおかしな会社に入った訳ではありません。上場している誰もが知っている大手電機メーカーですが、私のいた部署が良くなかったのだと思いました。

結局その会社は辞め他の企業に再就職しました。

今考えても十二分に問題のある仕事でした。


4.私がこの時に感じたのは合気道は<筋肉>に頼らない動きで<健康法>としてとても有意義な運動だという事でした。


以前も書きましたが私が当時師事した多田先生(現合気道9段)は技だけではなく呼吸法を重視する稽古をし、その後本を出されており、その中で「合気道は生命力を高めるものだ」と書かれてありましたが、実感した次第です。

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今日合気道は武道として世界中に普及していますが、健康についてネットで探すと以下のような色々な記事がありましたので紹介しておきます。

・合気道がもたらす12の驚くべき健康効果とメリット – 心身統一合氣道 大阪あびこ教室(https://kinolabo.net/aikido-benefits/))

・合気道の意外な効用 - ロシア・ビヨンド(https://jp.rbth.com/society/2015/09/17/397339)

あけましておめでとうございます。

本年もケガをしないように楽しく合気道の稽古を続けたいと思います。


昨年度はコロナが開けたという事もあるのでしょうか、想定外に参加者が増えました。

稽古をされる方も、初心者から十年以上の経験者とかなりレベルの差がありますが、経験者(特に有段者)の方は自分が初心者に教えるとき結構自分の理解が不十分だったと思う事もあるのではないでしょうか。

私も2段頃までは新しい人に教えるとき、技が掛からなかったり、想定外の受け身をとられたりとかなり焦った記憶があります。

しかしそれが自分の動きを見直すいいきっかけになったと思いますので、技が掛からないときも胡麻化さずに、考えながら稽古をすると得るところが大きいと思います。


<体捌きについて>

初心者の方にとって合気道の動きは、手と足を一緒に動かすので日常生活の動きや学校体育の運動とはかなり異なり戸惑う事もあるかと思いますが、江戸時代までの日本人の動き方だと思って学ぶと良いかと思います。

現代の歩いたり、走ったりする動きは明治時代以降に西洋文明が入ってきてからの動きだと言われています。

即ち、ズボンやスカートを履いた動きであり、着物で歩いていた江戸時代以前の日本人の動きではない・・・と言われています。

しかし武術として学ぶ為にはこのような動きを身につけなければなりません。

他の武道、例えば世界的に流行っている空手などもこのような動きで外国の人も日本人と同じように右手と右足を同時に出したりしていますので、それなりの合理性があるのだと思います。


同じ格闘技でもボクシングでは右手と右足を一緒に動かすということはあまりありません

が、偶にプロボクサーのチャンピオン井上尚弥がそんな動きを見せます。


また、フェンシングでは右手、右足を一緒に動かしますので、武術として動くときはそれなりに合理性があるのではないかと思います。


稽古の最初に体捌きや転換の練習をしているのは、はやくそのような動きが身につくようにという事でやっていますので、家で暇な時にやってみるのも良いと思います。

ただ、その時気を付けてもらいたいのは、足を大きく動かす事に気をとられるのではなく、腰から動くという事を意識して下さい。


<座り技について>

ときどき座り技を稽古します。

これは合気道が江戸時代からある城中での護身術の名残という人もいますが、むしろ腰を柔らかくするためのものと考えた方が良いと思います。

通常稽古を始めたばかりの人は腰が固く、左右の足の上で“ひと塊”になっています。

その為、例えば右足が畳に接しているとき、全体重が右足に乗り、次に動くとき、その右足で畳を強く蹴って左足に全体重を移動させなければなりません。

極端ですが判りやすくいうと陸上の選手がスタートダッシュするとき、右足→左足→右足・・・といった体重移動をしているような格好になります。

しかしこのような状態を昔は“居着く”と表現し、昔の侍はそのような一瞬動きが止まった状態になるとワンテンポ遅れ<斬られ>てしまうので、とても嫌ったと言います。

そしてそのような“居着く”状態にならないための稽古を色々したようです。

私が読んだ本には昔の剣道の道場では板の上に油を敷いて滑りやすくしたり、小豆をばらま

いて踏みしめると痛いのでそれを避けるような動きを体得させたりするような稽古をしてい

たようです。


合気道は体術ですので同じような稽古をしても意味がありません。

そこでどのようにすれば“居着く”ことなく動けるようになるか・・・というと座り技や膝行が腰を柔らかくする効果があり、“居着かなくなる”と考えられたのではないかと思います。

それにより、相手が攻撃を仕掛けてきた時も遅れる事もなく動けるようになると思います。




本道場では年2回昇級・昇段審査を実施しております。

12月には、3級3名、4級2名の方の審査を行いました。

皆さんとても良くできていて驚きました。

・・・というのはお世辞ではなく自分が20歳代で審査を受けたときはあがってしま

い、かなりみっともない動きしかできなかった事を思い出したからです。


後で「どうして あのように上手くできるのだろう」と色々と考えました。

思い出すと我々が小学校、中学校、高校と先生の「気をつけ、礼、着席」という<号令>に

従い、毎日教室やその他の学校行事で体を緊張させ、先生の指示に従う事が多かった為、

<自分の意志>に基づいて<自分の体を動かす>という事が少なくなり、「先生に怒られな

いようなパターン化した動きが習慣化されていたのではないか」と思います。

合気道を始めたときも、先生から教えられた幾つのか「パターン化」された動きで稽古をし

ていましたが、色々な先生に習っているうちに「自分の感覚」に従って動くのがベストだと

思うようになりました。


今の人には当たり前なのでしょうが、半世紀前に学校教育を受けた者にとってはとても不思

議であり、新鮮であり、羨ましくもありました。


いずれにしろ早く上手くなるのはうれしいことです。


審査で最初は一教、二教・・・、四方投げ、入り身投げ・・・といった技を覚えます。

そして初段ではほぼそれらの技を習得し、2段ではそれらの技を自由に使えるようになり、3段ではそれらに多人数掛けや武器技が加わります。

それ以降はそれらの技に拘らなくなります。

簡単にいうと「型」に拘らなくなります。

一般的な技芸の上達過程を「守」→「破」→「離」と言います。

「守」は型や形をならいそれを身に着ける段階です。

「破」はそのようにして身に着けた型や形を破って、自分のものとしようとする段階です。

「離」とは習った元のものから離れて、自分オリジナルなものを取得する段階です。

私自信の感覚では初段~二段が「守」段階であり、二段~三段が「破」段階であり、三段~四段が「離」段階であり、四段~はそれまで取得したものの中から残っているもので自分にあった動きを身に着けていく段階だと思っています。


多くの皆さんはまだ「守」段階だと思うので、習った技をきっちりと身に着けてもらえればと思います。





ところで実際に<闇バイト強盗>に家に入られたらどうするか・・・

とりあえず考えてみました。


合気道では、攻撃してきた相手を体捌きで躱してから相手の腕を抑えるという一教、二教、・・・入り身投げ、小手返しといった技を稽古していますが、玄関や廊下の狭いところでそのような動きはとれないのではないでしょうか。


<ではどうするか。>

正面から向かってきた相手に、立ち止まって正面から対峙してはいけません。

それは躱さなければなりません。


従って・・・重要なのはやはり<体捌き>です。


といっても普段稽古しているような大きな体捌きでなくコンパクトな体捌き>です。



例えば、相手が右手にナイフを持ち突進してきた場合、

そのナイフを躱すように左足から右足に重心を移すような小さく体捌きをします。

即ち、相手のナイフが自分の左腹部に当たる直前に相手の動きに合わせて相手と入れ替わるように動きます。


このとき相手と一体となって動かなければなりません。

いつも稽古で説明しているように「相手と同じリズムでダンスをしているように」動きます。

相手より早く動けば、動いて止まったところを狙われます。

相手より遅く動けば、当然動く前に刺されます。

従って全く同じタイミングで動かなければなりません。


この時足を踏み変えたりする猶予はないので、重心移動と腰の回転を使います。


 体捌きにより、自分の右側面が相手の左わき腹の前にきますので、右腕を自分の体につけたまま相手に体当たりする様に全体重をかけて<当身>をいれます。


相手はナイフを持っている右腕に全体重を乗せて掛かってきているので、左側(脇腹)は <気>が抜けており、脆弱になっています。

  そこを狙うのです。


おそらくこの当身により、相手の肋骨は折れ呼吸も出来なくなるのではないかと思います。

この時遠慮せずに体当たりのようにぶつかることが重要です。

  

  それから逃げるのがベストだと思いますが、相手の態勢が崩れない場合はナイフを持っている腕を叩いてナイフを落とします。


そしてすぐに逃げるのがベストです。


※以下は合気道養神館の塩田先生の演武ですが、名人技なので同じことは簡単には出来ませんが、小さな体捌きで相手の攻撃線をはずれたり、また相手が攻撃に入ろうとするまさにその瞬間を捉えて当身を入れています。

⇒「合気道 塩田剛三 技解説」

(https://www.youtube.com/watch?v=NdVyp6uFsHk)

最近この闇バイト強盗がTVニュースで良く出てきます。

私の住んでいる横浜市青葉区でも先日強盗殺人事件がありました。

今回のニュースで、我が家でも彼らの下調べと思われる一連の行為があったのだという事に気づきました。


①5,6年前ですが、「近くで工事をしていて気づいたのですが、屋根が傷んでいるのに気づきました。雨漏りになると大変なのでちょっとみましょうか」と言って若い工事服を着た男性が来ました。その時インターホンに出たのは家内だったのですが、僕が玄関から顔を出すと近くにおいてある小型トラックからハシゴを出して登っていき、簡単なので直しましたというので5000円をあげました。
これが犯罪の下調べなのか偶々なのかは分かりませんが、そのときは「ありがとう」といって終わりました。


②それから1年後くらいに、「近くで水漏れがあるのでこちらにまで流れてきていないか見させてください」と言って工事服を着たおじさんが来ました。
裏口に入っていきましたが、私がついて行ったので「大丈夫みたいです」と言って出ていきそれっきりでした。


③その後も「今貴金属の買い取りで青葉区をまわっています」という一見おとな しそうな若い男性がやってきました。
丁度親が亡くなって間もない頃だったので丁度いいかと思って、玄関に入れいくつかのいらない貴金属(?)を見せました。
良い物は既にヤフオクで売ってしまっていたのと家内がとってしまっていたので、あまりいい物はありませんでした。
結局色々とみて「これだけですか」とがっかりしたような顔をして何も買わずに帰っていきました。


④その少し後、二階で昼寝をしていると、玄関のカギを開けようとする音が聞こえたのですが、猫がドタドタと階段を音をたてながら降りて行ったのに驚いたのでしょうか、二階の窓から誰かが門の扉を開けて逃げていくのが見えたので追いかけました。
残念ながら、坂道を自転車で走っていき逃げられてしまいました。


すぐに近くの交番に届けましたが、その時警察官は「今青葉区が狙われているみたいですね」などと他人事のようなことを言っていましたので、見回りをお願いしました。


今考えてみると、コロナ前ですが2,3年の間に次々とやって来るという事は狙われていたという事なのでしょう。
それ以降は何もありませんが、今の連続強盗犯を見て既に我が家はターゲットとなっているのだと思いました。


ただ、あまりお金や貴金属はもっていないというのも判ったのではないでしょうか、それ以降このような事は一度もありません。

今回のニュースを見て思い出しました。


ただ、我が家の周囲は街灯が少ないので女性はとても怖いと思います。


※本日11月1日ですが、今週から皆さん門柱灯をつけるようになり通りがかなり明るくなりました。


いつも合気道の稽古を<遠慮してやっている>ので、一度本気で倒したくなりました。

※では実際どのようにして倒すのかというと、もし相手が向かってきたら・・・・・・・・<体捌きと当身>です。

おそらく相手は悶絶すると思います。

有名な塩田剛三先生も戦争中これを使ったという事ですが、合気道を習っている身としては自然な動きとして出てくるのではないかと思います。

その手前までは昔ですがやったことがあります・・・ケガをしないように止めました。

合気道では、一教、二教・・・、四方投げ、入り身投げ、小手返し・・・といった技を習います。

それは嘗て書いた通り<それらの技で相手を制する>為のみ習得しているわけではありません。

無論それで相手の攻撃を止められればそれに越したことはありません。


1.では何のためにそんな同じ技を何度も稽古をしているかと言いますと、<合気道の身体>を作るためです。


2.<合気道の身体>とはどういう事かというと、私自信の感覚では<武道として使える身体>を作ることであり、それは<身体をつなぐ神経を育てる事>だと考えています。


<武道として使える身体>については、通常<頑丈な身体><素早く動ける筋肉>といった事がイメージとしてすぐに浮かぶと思います。


3.<身体をつなぐ神経を育てる事>というのは意味が分からないかと思います。


私は<心>を物質的に反映するのが<神経><神経>を通して<筋肉>が収縮し、それが<動作>を起こすものだと思っています。

合気道はこの<神経>をより働きやすくする鍛錬だと思っています。(私見です)

ですから力づくで相手を倒したり、転ばしたりするのは稽古としてはおかしいと思っています。


4.色々な技は体に張り巡らせた<神経>ー<筋肉>を効率的に且つ活発にするためのものだと思っています。

ですから相手に技を掛けるとき、相手と物理的にぶつかるのは単なる<筋肉>の衝突であり避けるべきで、相手と衝突するときその元になる<気>を感知し、ぶつからないようにすることが必要だとおもいます。


5.手を持って稽古をするのはそのような意味があるからだと思います。

即ち相手との接触により、相手の筋肉の動きの元にある<気>を察知する事だと思います。


6.最初は技を稽古をしながらぶつからないように手を持たれている位置を変えたり、体捌きで体の位置を変えたりしながらぶつからないポイントを探っていきますが、慣れるにしたがって少ない動きでぶつからないところが判ってきます。

それにより相手の<気>というものを察知できるようになってきます。


7.いわゆる<達人>と言われる人たちは殆ど大きな体捌きをしなくても相手を崩せますが、それは相手のそういった<気>の動きを察知でき、瞬時に自分に有利なポジションに動けるからだと思います。

(参照⇒https://www.youtube.com/watch?v=tSdd2801G20)

我々は稽古をするときは常にぶつからないで相手を崩すための体捌きや体の動きを学ばなければなりません。

私が習った先生も小柄でしたが、あまり動かずに大きな外国人を簡単に崩していました。





オリンピックが放送されていますが、合気道をやっている身としては自然に柔道に目が行きます。

フランスでは柔道が盛んでフランスの人口は日本の半分程度なのに柔道人口は日本の4倍の53万人だそうです。

合気道も人気があるようでWIKIによると有段者3000人、稽古者数30数万人と書かれております。

ちなみに世界の合気道人口は160万人でそのうち日本が100万人くらいですのでフランスはおそらく海外で一番盛んな国だと思います。

それ故、本部道場にも多くのフランス人が来ています。


【フランスと日本】

フランス人が合気道好きというのも、昔から日本の文化と相性がよかったからだと思います。フランスでは浮世絵や広重を大変好まれ、逆に日本ではフランスの絵画や映画から香水まで人気でした。

私も若い頃「太陽がいっぱい」(主演アランドロン)、「シュエルブールの雨傘」(主演カトリーヌドヌーブ)といった映画や音楽でもミッシェルポルナレフやジルベルベコーなどが大好きで、そのころはシャンソンを聴きに銀座にある銀パリというシャンソン喫茶に会社の帰りによく通いました。


現在は日本人はあまりフランスかぶれにはなっていませんが、どちらかというとフランス人は日本のアニメに熱中しており、ドラゴンボールやナルトが流行っているようです。


【ドイツでの思い出】

日本のアニメが好まれているのはフランスだけでありませんでした。

今から30年前東西ドイツが統合した頃、東ドイツのドレスデンの合気道場にドイツ人の友人の誘いで遊びに行った事がありますが、TVで人気だったのが日本ではとっくに放送終了になっていたアタックNO1のアニメでしたので驚きました。

バレーボールが人気があったのかもしれませんが、TVで昔のブルマを履いた女の子たちが試合をしているのは何か怪しげなものを見せられているようで奇妙な感覚でした。


何故かそんな昔だったにも拘わらず、ドレスデンにはしっかりとした合気道の道場が出来ており、稽古人が30人くらいいました。

皆さん背が高く足も長いのですが、それ故バランスを崩しやすく楽しい思い出でした。


そこの道場主は3段で(当時私も3段でした)、おそらく初めて日本人が道場に来たのだと思いますが、少し稽古をしては私の顔をジロジロ見ていましたので、後でドイツ人の友人に聞いたら自分がおかしなことを教えていると指摘されるのではないかとかなり気にしていたそうです。

当時の私と同じレベルで道場を開くほどではないと思いましたが、東西ドイツが統一してまともな社会が形成されていないところで、彼らから見ると超先進国で合気道の本場の日本人が来たというので歓待されました。

ちなみに私の妻はドイツ語の翻訳家でしたので、ドイツ人の友人の片言の日本語でもなんとかなりました。


【本部道場での稽古】

現在も本部道場にはかなりの数のフランス人が来ていますが、問題なのは、彼らは体臭がきつく(差別用語かもしれませんが)それ故香水をつけてごまかそうとしているのでしょうが、夏になると稽古による汗と香水が混ざって異様な匂いとなります。

(本部で稽古をするときは注意してください!!)


合気道は相手の腕を掴んで稽古なのでそれほど密着しているわけではないのですが、今オリンピックでやっている柔道のように体をひっつけたり、寝技があったりすると、おそらく体臭はすごくて大変だと思います。

もっともオリンピックに出るような日本人の選手は海外慣れして平気なのかもしれませんが、肉食文化の体臭は草食文化の私には少し堪えます。


しかし本部道場での外国の方との稽古は日本人同士の稽古と異なり力の入れ方や体捌きが独特な方もおり、それなりに刺激的です。

時々、私のやり方がきにいらないのか文句を言う方もいましたが・・・。

そのときは「私が習ったのとは違う」と強く主張されましたが、その方は自分の先生のやり方だけが正しいと固執しているようでした。


<外国人との稽古>

 本部道場での外国人との稽古の感想です。

 ・ブラジルの方は手が長く四方投げをしても相手の手を潜り抜けダンスの様になってしま

  います。そこで自分勝手に回らずに相手の動きを体感しながら、回っている途中で相手

  が潜り抜けないように相手の腕をおろしました。

 ・ドイツの方は筋力に頼った柔道的な感覚でやられている方と太極拳や気功のような感覚

  でやられている方がいるようでした。

  前者と稽古をするときは出来るだけ力を抜いて、相手に合わせながら相手を誘導するよ 

  うな技で対応しました。

  後者は触れるか触れないかで技を掛けてきてきましたので、逆にしっかりと相手の腕を

  にぎりました。そんな時結構受け身をとらないと文句を言ってくることがありました。

 ・イタリアの方は自己主張が強く、<自分が習った合気道>に固執しがちなようでした。

  私が最初に指導を受けたのがイタリアに合気道を普及した多田先生だというと、「マエ 

  ストロ(先生という意味ですが、イタリア人はこの様に言う方が多いです)多田はそん

  なやりかたはしていない」と一方的に文句を言われたことがありました。


いずれにしろ外国の方は自己主張が強いのでそれなりに合わせて稽古をせざるを得ません。

それでも私がある程度上手くなってきた時には、皆さん殆ど文句を言わなくなりましたが、やはり皆さん自分がならった合気道に固執していました。


指導者により色々とやり方がありますが、元は開祖が創られた武道(?)であり、それは型にはめようとしたものではありません。


「合気道は入身と転換の体捌きと呼吸力から生まれる技によって、お互いに切磋琢磨し合って稽古を積み重ね、心身の錬成を図るのを目的とする」(合気会HP)と書かれていますが、余りに抽象的なので、「合気道とは相手の力に逆らうことなく、相手の力を自らに取り込んで、一体化して相手を制する武道です。」(養神館龍のHP)の方が具体的でわかりやすいと思います。

それ以上は心や宗教の問題になってくるので説明は困難です。


私は<精神的>にも<肉体的>にも健康になれるので稽古をしています。

では<武道>としての<合気道>はどうなんだろうか・・・という事については以前「2023年7月」(https://aozoraaikido.amebaownd.com/posts/46025397)の記事で書きましたので参考にしてください。


尚、私が師事した多田先生は<合気道は生命力を高める>ものだとおっしゃっています。



1.合気道の技について

合気道ではいくつかのパターン化された型の稽古をします。

それは同じ武道でありながら、剣道、空手、柔道よりも複雑です。

では何のためにそれほどたくさんの<型稽古>があるのでしょうか。


私が感じているところでは、それは合気道が<受け>から入っているからだと思います。

剣道、空手、柔道はいずれも試合があり、その試合で<一本>を取るための技の攻防があり、そこで勝つための稽古をします。

従って、まず<攻撃>ありきなのです。


これに対して合気道は攻撃技がありません。

相手の攻撃を躱して、相手を抑えるという形になります。

それが、一教、二教、・・・入り身投げ、小手返し・・・といった技です。


2.技を掛けるタイミングについて

しかし、そもそも相手を倒すために攻撃を仕掛けるという事は、自分がバランスを崩すきっかけになり、またスキだらけになってしまいかねません。


例えば、右腕の横面打ちで相手に殴りかかるとき、攻撃者はその右手に全神経を傾けています。

そしてそのときの重心はその右手・右足側にあります。

防御する側は、自分の重心は崩れていませんので、攻撃者の右手を避ければ良いだけです。

攻撃者の右手が相手にあたらず外れると、攻撃者はバランスを崩してしまいますので、体の他の部分は全くスキだらけになってしまい、そんな相手を抑えることはそれほど難しくありません。


そこでバランスを崩すために、どのように相手の攻撃を外すかが重要になります。

実はそれが簡単なようでなかなか難しいところですが、それが出来ないで、四方投げ、小手返し・・・といった技だけを一生懸命稽古するのは本末転倒のような気がします。


相手の攻撃を察知してもあまりに早く動くと、相手も攻撃を仕切り直しします。

無論自分が動かないと簡単に攻撃されます。


相手が間違いなく当たると思って攻撃を仕掛けてきた時、既に相手が攻撃に入った段階(即ち、相手がそこで踏みとどまれないようなバランスを失った状態)で、相手の攻撃を躱すことが出来れば、攻撃対象が想定外のところにいることになり相手はバランスを失います。

例えば、目の前の木を木刀で叩こうとしてモーションに入っていたが、当たる直前にその木がなくなってしまえば、攻撃者は目標を失い空振りをしてしまいバランスを崩します。


では、どうすれば体術でそれが出来るかという事ですが、・・・相手の攻撃線上にいながら、当たる直前にそこから外れ、相手を攻撃できるポジションに移るという事です。

具体的には攻撃者と同じリズム、同じ感覚で動いていながら、攻撃者にその動きを察知されないように動かなければなりません。

現実的には自分と攻撃者が対になって動く<社交ダンス>のような関係性を持ちつつ、意識は両者を全体として捉え、自分がその関係性から外に出られるようにしなければなりません。

そうすると、相手からすると想定外の動きを取れることになり、相手のスキを突くことができます。

文章にするととても難しくなりますので、この表現であっているかは自信がありません。

むしろ実際に稽古をしながら説明する方がわかりやすいかと思います。




先日、武道館で本年度の合気道演武大会が開催されました。

58回の無観客の演武大会、59回のマスクをつけ観客を制限した大会、60回はまだマスクをつけている人もいるなかでの遠慮がちな大会でしたが、今回は久しぶりにコロナ以前のような盛況な大会となりました。


本道場でも5級の方と3段の方、計4人が参加しました。

時間が短かったので予定していた技の途中で演武が終わってしまったのは残念でしたが、それなりに格好がついていたように思います。

ただ、たくさんの人が参加していたのでぶつからないように気をつけながらの演武となったようでした。


皆さんも、日頃目にしたことのない他の道場の様子や本部の師範の方々の演武が見られたと思います。


ただ長時間にわたり沢山の参加者の演武を次から次へと紹介していくだけで、最初は関心を持ってみていてもそのうち飽きてきたのではないでしょうか。

以前は合気道経験のある有名人(由美かおるやスティーブンセガール、等)が出て来て演武を披露することもあり、それなりに演出的に楽しめた部分もありました。


私見ですが、今回出られている本部の師範の先生方の技は少々画一的なように見えました。今から2,30年前の大会では殆ど開祖の直弟子といわれた師範の方の演武はそれなりに個性的でした。

彼らは大学の合気道部といったものがなかった時代に様々な武道(剣術、空手、柔術、等)を経験していた方が多く、演武の中にその影響が見て取れました。


私の様に長くやっている者からすると、一般道場の師範演武を見ていると既に亡くなられた有名な先生の面影が見られたりしてそれなりに楽しめました。




合気道のブログで結構面白いものがありますので紹介します。

関心のある方はご覧ください。


1.しょうた先生の合気道ブログ(https://www.youtube.com/@Aikido-Shota)

 これは他流派の養神館合気道3段の方が合気道の注意点や問題点について丁寧に説明してくれるYOU TUBEの動画ですが、時には海外の道場を回って稽古をしているので、その国での合気道事情や楽しみ方も紹介してくれています。

それぞれのお国柄が見れて結構面白いです。


★私もニューヨークやドイツで合気道をしたことがありますが、サラリーマンでしたので、残念ながら上記の方の様に長期間、色々な国に滞在しながら合気道をやることは出来ませんでした。

<以下、私の体験>

(1)ニューヨークにはいつも指導して頂いている先生について数人の合気道仲間と夏休みに一週間だけですが行きました。

 道場はニューヨークのマンハッタンの真ん中にあるビルの中にあり、毎回20から30人位の方が稽古をしていました。

 (ニューヨーク合気会・・・https://www.nyaikikai.com/)

 一日に何回かクラスがあり、仕事の前に来たり、帰るときに寄ったりと色々ですが、終わったら近くのレストラン(映画に出てくるパブみたいなところ)で一緒に軽い食事をしました。

その後、ニューヨーク合気会の人にニュージャージにある街道場に連れていかれ、おそらく100人位が集まって稽古をしました。

来られた方はとても満足したらしく、講習が終わった後たくさんの人が道着に先生のサインを求めて並んだのには驚きました。

 

(2)合気道(と日本語)を学びに東京に来ていたドイツ人女性が自国に帰って合気道を指導しているので、家内と一緒に遊びに行きました。(私の家内はドイツ語の翻訳家でミュンヘン大学大学院を出ていて本人も行きたかったようです)

道場は(旧東ドイツの)ドレスデンという所にありましたが、今ネットで検索しても出てきません。30年くらい前で、東西ドイツが統合して間もない頃なのでなくなったのかもしれません。

ドイツはフランスと並んで合気道が盛んなところですが、ドイツ人気質というのでしょうか、指導者に合わせて「〇〇先生系統の合気道」といったグループが出来ています。

★皆さんも簡単な会話が出来る程度の英語は身に着けておいた方が何かと便利で楽しい経験が出来ます。


2.合気道子の稽古日記

(https://www.aikidomemo.com/)

 初心者の稽古日記なので、色々と気づかせてくれるところがあります。

 マンガ入りなので読みやすいと思います。


3.女40代・合気道への道 【1ヶ月目】演武の美しさに感動し入門を決意

(https://wp.pxdesign.jp/2018/05/12/aikido/)

合気道に入門したばかりの女性のブログです。


4.60歳(還暦)から始める合気道入門…の、ほんの入口

(https://www.ark-gr.co.jp/blog/aikido-kanreki_2021/)

年をとってから始められた方の日記です。作家さんらしいです。


※皆さんも面白いいブログや記事を見つけたら教えてください。

 


新年度になり会員が増えて道場も賑やかになり、稽古も楽しくなりました。


新しく合気道を始めた方は、それまでやっていたスポーツの動きとはかなり異なるので戸惑う事も多いのではないでしょうか。

基本的な注意点について書いてみます。


【足捌き、体捌き】

現在、合気道の技を稽古する前に<足捌き>と<体捌き>を行っています。

これは私が最初に学んだ多田先生(現9段)が特に力を入れていた稽古法です。

その時重要なのは、足で畳を蹴って動くのではなく、腰から動くという事です。

最初は前のめりになり転換した後腰がぐらつくこともありますが、<腰>を意識して稽古

をしているとやがてバランスよく動けるようになります。

それを意識せずに相手と対峙し、相手が掛かってきた時に自然に動けるようになることが重要です。


【相手への対応の仕方】

次に相手と稽古をするときの注意点です。


横面打ちで説明しますと、

相手が手刀で打って来るその腕を見ていては動きが遅れます、

相手の体全体をぼんやりとみて体捌きをする事が重要です。

相手に合わせて動けるようになったら、相手と自分がひとつの輪になって動く感覚が重要となります。

丁度二人でひとつの円を描くような意識を持って動きます。

そのときどこもぶつからないで滑らかに動けるようにしなければなりません。

それが感覚的に判ってくると、相手とぶつかるような動きをするとすぐわかります。


私はよく<社交ダンス>のように動く事が重要だと説明します。

相手と気持ちを合わせてうまくダンスを踊れていると殆どぶつかることもなく一緒に動け

ますが、どこかで自分の我をだすとぶつかります。

相手に引っ張られると嫌な感じがしますし、自分が相手を引っ張ると無理がある感じがします。

相手が動く方向に一緒に動くと楽に動けますし、相手も不愉快な思いはしないのでそのまま動きます。

その動いていく方向から少し先に誘導してあげると相手は足がついていかずバランスを崩し

やすくなります。(これを合気道では<導く>という表現します)


この時自分のバランスを保てるように動き、相手のバランス状態を理解するためにも接触している手の感覚が重要になります。

手に力を入れたり、緊張したりしていると、相手の体の状態がわかりません。

また<意識>も相手の状態を理解するためにも合わせなければなりません。

多田先生は相手と<同調>する事が必要だと説明されていました。


合気道は「肉体的なぶつかりあい」というよりもお互いの意識の探り合いみたいな面があります。

それ故、自分の心は静謐にしておかないと上手く出来ないのではないでしょうか。

海外でムービング禅(moving Zen)と言われる所以がそこにあるのでは・・・と思います。




4月は学校や会社で新しいスタートの時期で、何か新しいことを始めたいと思う人がたくさんいます。

私自身も合気道を始めたのは大学を卒業して社会人として第一歩を踏み出した4月でした。

そこで、春から「合気道」を始めては如何でしょうか・・・というメッセージです。

では合気道を稽古する意味はどこにあるのでしょうか。


①健康に良い

 毎週道場で全身をくまなく動かすので、気と血が体をめぐり健康になります。
このとき、ただ自分だけ一人で体を動かしても単なる体操と同じですが、相手の動き合わせて動き、また相手と手を触れて動く事で相互の気が誘導され体がほぐされます。

誤解を恐れず言えば、自分でマッサージをするより他人にしてもらった方が自分の手の届かないところまでやってもらって気持ちがいいのと同じです。

その結果、稽古が終わった後は疲労感もなくスッキリします。


②心が落ち着く

 合気道は通常のスポーツのように一部の筋肉を瞬発的に緊張させるような動きではなく、相手に合わせて、ゆったりと体を動かし腹式呼吸で行いますので心も落ち着いてきます。

相手の素早い動きに対応できないのでは・・・という事はありません。

それは相手との間合いや呼吸を読むことで対応できます。

※それ故、ヨーロッパでは<moving Zen(ムービング 禅)>と言われています。



③年をとっても上達していける

  通常のスポーツや武道は大抵の場合20台後半でピークを迎えます。
 それは筋肉反射に頼るため、筋力の衰えに従い徐々にレベルダウンしていくからです。

 合気道は瞬発的な筋肉反射によることはありませんので、丁度ダンスや日本舞踊のように年をとっても上達し円熟していきます。

 それ故、国内外を問わず歳をとっても続けている方が多くいます。

 参考⇒https://www.youtube.com/watch?v=S0TtUad73XI
  https://www.youtube.com/watch?v=QnPf0Ukw7Ug

 ※もっとも稽古法が間違っていなければの話です。柔術や柔道のように主に筋力を使って稽古をする場合は別です。


④稽古が楽しい

 どちらが強いかを競うのではなく、<技をかける人>と<受け身をとる人>に分かれて「お互いにぶつかりあわず」に相手のバランスを崩す稽古体系のため痛い思いをすることは殆どありません。

むしろ相手の呼吸に合わせる稽古なので、ダンスに近い感覚です。
といっても武術なので相手を崩したり投げることもあるので、受け身をとる事も必要です。

しかし<柔道>のように「バタン」と体全体を畳に打ち付ける受け身ではなく、衝撃を逃すような柔らかい受け身ですので体に負担はありません。

参照⇒https://www.youtube.com/watch?v=-xQCK2YShyQ


⑤護身術に役立つ

 そんな緩い稽古が役に立つのかと思われますが、実際に護身術になります。

 それは相手との間合いを重視し、相手の攻撃を体捌きで躱し、相手をコントロールする動きを学ぶからです。

参照⇒https://www.youtube.com/watch?v=H6At0RIfM2s(マンガ刃牙のモデルの方です)

※レベルは人によりますので、必ずしも完全に護身術になるかというと、それは他の武道や護身術同様一概には言えません。



※実際に体験するのが一番ですので、遠慮なくいらしてください。