BLOG

オリンピックが放送されていますが、合気道をやっている身としては自然に柔道に目が行きます。

フランスでは柔道が盛んでフランスの人口は日本の半分程度なのに柔道人口は日本の4倍の53万人だそうです。

合気道も人気があるようでWIKIによると有段者3000人、稽古者数30数万人と書かれております。

ちなみに世界の合気道人口は160万人でそのうち日本が100万人くらいですのでフランスはおそらく海外で一番盛んな国だと思います。

それ故、本部道場にも多くのフランス人が来ています。


【フランスと日本】

フランス人が合気道好きというのも、昔から日本の文化と相性がよかったからだと思います。フランスでは浮世絵や広重を大変好まれ、逆に日本ではフランスの絵画や映画から香水まで人気でした。

私も若い頃「太陽がいっぱい」(主演アランドロン)、「シュエルブールの雨傘」(主演カトリーヌドヌーブ)といった映画や音楽でもミッシェルポルナレフやジルベルベコーなどが大好きで、そのころはシャンソンを聴きに銀座にある銀パリというシャンソン喫茶に会社の帰りによく通いました。


現在は日本人はあまりフランスかぶれにはなっていませんが、どちらかというとフランス人は日本のアニメに熱中しており、ドラゴンボールやナルトが流行っているようです。


【ドイツでの思い出】

日本のアニメが好まれているのはフランスだけでありませんでした。

今から30年前東西ドイツが統合した頃、東ドイツのドレスデンの合気道場にドイツ人の友人の誘いで遊びに行った事がありますが、TVで人気だったのが日本ではとっくに放送終了になっていたアタックNO1のアニメでしたので驚きました。

バレーボールが人気があったのかもしれませんが、TVで昔のブルマを履いた女の子たちが試合をしているのは何か怪しげなものを見せられているようで奇妙な感覚でした。


何故かそんな昔だったにも拘わらず、ドレスデンにはしっかりとした合気道の道場が出来ており、稽古人が30人くらいいました。

皆さん背が高く足も長いのですが、それ故バランスを崩しやすく楽しい思い出でした。


そこの道場主は3段で(当時私も3段でした)、おそらく初めて日本人が道場に来たのだと思いますが、少し稽古をしては私の顔をジロジロ見ていましたので、後でドイツ人の友人に聞いたら自分がおかしなことを教えていると指摘されるのではないかとかなり気にしていたそうです。

当時の私と同じレベルで道場を開くほどではないと思いましたが、東西ドイツが統一してまともな社会が形成されていないところで、彼らから見ると超先進国で合気道の本場の日本人が来たというので歓待されました。

ちなみに私の妻はドイツ語の翻訳家でしたので、ドイツ人の友人の片言の日本語でもなんとかなりました。


【本部道場での稽古】

現在も本部道場にはかなりの数のフランス人が来ていますが、問題なのは、彼らは体臭がきつく(差別用語かもしれませんが)それ故香水をつけてごまかそうとしているのでしょうが、夏になると稽古による汗と香水が混ざって異様な匂いとなります。

(本部で稽古をするときは注意してください!!)


合気道は相手の腕を掴んで稽古なのでそれほど密着しているわけではないのですが、今オリンピックでやっている柔道のように体をひっつけたり、寝技があったりすると、おそらく体臭はすごくて大変だと思います。

もっともオリンピックに出るような日本人の選手は海外慣れして平気なのかもしれませんが、肉食文化の体臭は草食文化の私には少し堪えます。


しかし本部道場での外国の方との稽古は日本人同士の稽古と異なり力の入れ方や体捌きが独特な方もおり、それなりに刺激的です。

時々、私のやり方がきにいらないのか文句を言う方もいましたが・・・。

そのときは「私が習ったのとは違う」と強く主張されましたが、その方は自分の先生のやり方だけが正しいと固執しているようでした。


<外国人との稽古>

 本部道場での外国人との稽古の感想です。

 ・ブラジルの方は手が長く四方投げをしても相手の手を潜り抜けダンスの様になってしま

  います。そこで自分勝手に回らずに相手の動きを体感しながら、回っている途中で相手

  が潜り抜けないように相手の腕をおろしました。

 ・ドイツの方は筋力に頼った柔道的な感覚でやられている方と太極拳や気功のような感覚

  でやられている方がいるようでした。

  前者と稽古をするときは出来るだけ力を抜いて、相手に合わせながら相手を誘導するよ 

  うな技で対応しました。

  後者は触れるか触れないかで技を掛けてきてきましたので、逆にしっかりと相手の腕を

  にぎりました。そんな時結構受け身をとらないと文句を言ってくることがありました。

 ・イタリアの方は自己主張が強く、<自分が習った合気道>に固執しがちなようでした。

  私が最初に指導を受けたのがイタリアに合気道を普及した多田先生だというと、「マエ 

  ストロ(先生という意味ですが、イタリア人はこの様に言う方が多いです)多田はそん

  なやりかたはしていない」と一方的に文句を言われたことがありました。


いずれにしろ外国の方は自己主張が強いのでそれなりに合わせて稽古をせざるを得ません。

それでも私がある程度上手くなってきた時には、皆さん殆ど文句を言わなくなりましたが、やはり皆さん自分がならった合気道に固執していました。


指導者により色々とやり方がありますが、元は開祖が創られた武道(?)であり、それは型にはめようとしたものではありません。


「合気道は入身と転換の体捌きと呼吸力から生まれる技によって、お互いに切磋琢磨し合って稽古を積み重ね、心身の錬成を図るのを目的とする」(合気会HP)と書かれていますが、余りに抽象的なので、「合気道とは相手の力に逆らうことなく、相手の力を自らに取り込んで、一体化して相手を制する武道です。」(養神館龍のHP)の方が具体的でわかりやすいと思います。

それ以上は心や宗教の問題になってくるので説明は困難です。


私は<精神的>にも<肉体的>にも健康になれるので稽古をしています。

では<武道>としての<合気道>はどうなんだろうか・・・という事については以前「2023年7月」(https://aozoraaikido.amebaownd.com/posts/46025397)の記事で書きましたので参考にしてください。


尚、私が師事した多田先生は<合気道は生命力を高める>ものだとおっしゃっています。



1.合気道の技について

合気道ではいくつかのパターン化された型の稽古をします。

それは同じ武道でありながら、剣道、空手、柔道よりも複雑です。

では何のためにそれほどたくさんの<型稽古>があるのでしょうか。


私が感じているところでは、それは合気道が<受け>から入っているからだと思います。

剣道、空手、柔道はいずれも試合があり、その試合で<一本>を取るための技の攻防があり、そこで勝つための稽古をします。

従って、まず<攻撃>ありきなのです。


これに対して合気道は攻撃技がありません。

相手の攻撃を躱して、相手を抑えるという形になります。

それが、一教、二教、・・・入り身投げ、小手返し・・・といった技です。


2.技を掛けるタイミングについて

しかし、そもそも相手を倒すために攻撃を仕掛けるという事は、自分がバランスを崩すきっかけになり、またスキだらけになってしまいかねません。


例えば、右腕の横面打ちで相手に殴りかかるとき、攻撃者はその右手に全神経を傾けています。

そしてそのときの重心はその右手・右足側にあります。

防御する側は、自分の重心は崩れていませんので、攻撃者の右手を避ければ良いだけです。

攻撃者の右手が相手にあたらず外れると、攻撃者はバランスを崩してしまいますので、体の他の部分は全くスキだらけになってしまい、そんな相手を抑えることはそれほど難しくありません。


そこでバランスを崩すために、どのように相手の攻撃を外すかが重要になります。

実はそれが簡単なようでなかなか難しいところですが、それが出来ないで、四方投げ、小手返し・・・といった技だけを一生懸命稽古するのは本末転倒のような気がします。


相手の攻撃を察知してもあまりに早く動くと、相手も攻撃を仕切り直しします。

無論自分が動かないと簡単に攻撃されます。


相手が間違いなく当たると思って攻撃を仕掛けてきた時、既に相手が攻撃に入った段階(即ち、相手がそこで踏みとどまれないようなバランスを失った状態)で、相手の攻撃を躱すことが出来れば、攻撃対象が想定外のところにいることになり相手はバランスを失います。

例えば、目の前の木を木刀で叩こうとしてモーションに入っていたが、当たる直前にその木がなくなってしまえば、攻撃者は目標を失い空振りをしてしまいバランスを崩します。


では、どうすれば体術でそれが出来るかという事ですが、・・・相手の攻撃線上にいながら、当たる直前にそこから外れ、相手を攻撃できるポジションに移るという事です。

具体的には攻撃者と同じリズム、同じ感覚で動いていながら、攻撃者にその動きを察知されないように動かなければなりません。

現実的には自分と攻撃者が対になって動く<社交ダンス>のような関係性を持ちつつ、意識は両者を全体として捉え、自分がその関係性から外に出られるようにしなければなりません。

そうすると、相手からすると想定外の動きを取れることになり、相手のスキを突くことができます。

文章にするととても難しくなりますので、この表現であっているかは自信がありません。

むしろ実際に稽古をしながら説明する方がわかりやすいかと思います。




先日、武道館で本年度の合気道演武大会が開催されました。

58回の無観客の演武大会、59回のマスクをつけ観客を制限した大会、60回はまだマスクをつけている人もいるなかでの遠慮がちな大会でしたが、今回は久しぶりにコロナ以前のような盛況な大会となりました。


本道場でも5級の方と3段の方、計4人が参加しました。

時間が短かったので予定していた技の途中で演武が終わってしまったのは残念でしたが、それなりに格好がついていたように思います。

ただ、たくさんの人が参加していたのでぶつからないように気をつけながらの演武となったようでした。


皆さんも、日頃目にしたことのない他の道場の様子や本部の師範の方々の演武が見られたと思います。


ただ長時間にわたり沢山の参加者の演武を次から次へと紹介していくだけで、最初は関心を持ってみていてもそのうち飽きてきたのではないでしょうか。

以前は合気道経験のある有名人(由美かおるやスティーブンセガール、等)が出て来て演武を披露することもあり、それなりに演出的に楽しめた部分もありました。


私見ですが、今回出られている本部の師範の先生方の技は少々画一的なように見えました。今から2,30年前の大会では殆ど開祖の直弟子といわれた師範の方の演武はそれなりに個性的でした。

彼らは大学の合気道部といったものがなかった時代に様々な武道(剣術、空手、柔術、等)を経験していた方が多く、演武の中にその影響が見て取れました。


私の様に長くやっている者からすると、一般道場の師範演武を見ていると既に亡くなられた有名な先生の面影が見られたりしてそれなりに楽しめました。




合気道のブログで結構面白いものがありますので紹介します。

関心のある方はご覧ください。


1.しょうた先生の合気道ブログ(https://www.youtube.com/@Aikido-Shota)

 これは他流派の養神館合気道3段の方が合気道の注意点や問題点について丁寧に説明してくれるYOU TUBEの動画ですが、時には海外の道場を回って稽古をしているので、その国での合気道事情や楽しみ方も紹介してくれています。

それぞれのお国柄が見れて結構面白いです。


★私もニューヨークやドイツで合気道をしたことがありますが、サラリーマンでしたので、残念ながら上記の方の様に長期間、色々な国に滞在しながら合気道をやることは出来ませんでした。

<以下、私の体験>

(1)ニューヨークにはいつも指導して頂いている先生について数人の合気道仲間と夏休みに一週間だけですが行きました。

 道場はニューヨークのマンハッタンの真ん中にあるビルの中にあり、毎回20から30人位の方が稽古をしていました。

 (ニューヨーク合気会・・・https://www.nyaikikai.com/)

 一日に何回かクラスがあり、仕事の前に来たり、帰るときに寄ったりと色々ですが、終わったら近くのレストラン(映画に出てくるパブみたいなところ)で一緒に軽い食事をしました。

その後、ニューヨーク合気会の人にニュージャージにある街道場に連れていかれ、おそらく100人位が集まって稽古をしました。

来られた方はとても満足したらしく、講習が終わった後たくさんの人が道着に先生のサインを求めて並んだのには驚きました。

 

(2)合気道(と日本語)を学びに東京に来ていたドイツ人女性が自国に帰って合気道を指導しているので、家内と一緒に遊びに行きました。(私の家内はドイツ語の翻訳家でミュンヘン大学大学院を出ていて本人も行きたかったようです)

道場は(旧東ドイツの)ドレスデンという所にありましたが、今ネットで検索しても出てきません。30年くらい前で、東西ドイツが統合して間もない頃なのでなくなったのかもしれません。

ドイツはフランスと並んで合気道が盛んなところですが、ドイツ人気質というのでしょうか、指導者に合わせて「〇〇先生系統の合気道」といったグループが出来ています。

★皆さんも簡単な会話が出来る程度の英語は身に着けておいた方が何かと便利で楽しい経験が出来ます。


2.合気道子の稽古日記

(https://www.aikidomemo.com/)

 初心者の稽古日記なので、色々と気づかせてくれるところがあります。

 マンガ入りなので読みやすいと思います。


3.女40代・合気道への道 【1ヶ月目】演武の美しさに感動し入門を決意

(https://wp.pxdesign.jp/2018/05/12/aikido/)

合気道に入門したばかりの女性のブログです。


4.60歳(還暦)から始める合気道入門…の、ほんの入口

(https://www.ark-gr.co.jp/blog/aikido-kanreki_2021/)

年をとってから始められた方の日記です。作家さんらしいです。


※皆さんも面白いいブログや記事を見つけたら教えてください。

 


新年度になり会員が増えて道場も賑やかになり、稽古も楽しくなりました。


新しく合気道を始めた方は、それまでやっていたスポーツの動きとはかなり異なるので戸惑う事も多いのではないでしょうか。

基本的な注意点について書いてみます。


【足捌き、体捌き】

現在、合気道の技を稽古する前に<足捌き>と<体捌き>を行っています。

これは私が最初に学んだ多田先生(現9段)が特に力を入れていた稽古法です。

その時重要なのは、足で畳を蹴って動くのではなく、腰から動くという事です。

最初は前のめりになり転換した後腰がぐらつくこともありますが、<腰>を意識して稽古

をしているとやがてバランスよく動けるようになります。

それを意識せずに相手と対峙し、相手が掛かってきた時に自然に動けるようになることが重要です。


【相手への対応の仕方】

次に相手と稽古をするときの注意点です。


横面打ちで説明しますと、

相手が手刀で打って来るその腕を見ていては動きが遅れます、

相手の体全体をぼんやりとみて体捌きをする事が重要です。

相手に合わせて動けるようになったら、相手と自分がひとつの輪になって動く感覚が重要となります。

丁度二人でひとつの円を描くような意識を持って動きます。

そのときどこもぶつからないで滑らかに動けるようにしなければなりません。

それが感覚的に判ってくると、相手とぶつかるような動きをするとすぐわかります。


私はよく<社交ダンス>のように動く事が重要だと説明します。

相手と気持ちを合わせてうまくダンスを踊れていると殆どぶつかることもなく一緒に動け

ますが、どこかで自分の我をだすとぶつかります。

相手に引っ張られると嫌な感じがしますし、自分が相手を引っ張ると無理がある感じがします。

相手が動く方向に一緒に動くと楽に動けますし、相手も不愉快な思いはしないのでそのまま動きます。

その動いていく方向から少し先に誘導してあげると相手は足がついていかずバランスを崩し

やすくなります。(これを合気道では<導く>という表現します)


この時自分のバランスを保てるように動き、相手のバランス状態を理解するためにも接触している手の感覚が重要になります。

手に力を入れたり、緊張したりしていると、相手の体の状態がわかりません。

また<意識>も相手の状態を理解するためにも合わせなければなりません。

多田先生は相手と<同調>する事が必要だと説明されていました。


合気道は「肉体的なぶつかりあい」というよりもお互いの意識の探り合いみたいな面があります。

それ故、自分の心は静謐にしておかないと上手く出来ないのではないでしょうか。

海外でムービング禅(moving Zen)と言われる所以がそこにあるのでは・・・と思います。




4月は学校や会社で新しいスタートの時期で、何か新しいことを始めたいと思う人がたくさんいます。

私自身も合気道を始めたのは大学を卒業して社会人として第一歩を踏み出した4月でした。

そこで、春から「合気道」を始めては如何でしょうか・・・というメッセージです。

では合気道を稽古する意味はどこにあるのでしょうか。


①健康に良い

 毎週道場で全身をくまなく動かすので、気と血が体をめぐり健康になります。
このとき、ただ自分だけ一人で体を動かしても単なる体操と同じですが、相手の動き合わせて動き、また相手と手を触れて動く事で相互の気が誘導され体がほぐされます。

誤解を恐れず言えば、自分でマッサージをするより他人にしてもらった方が自分の手の届かないところまでやってもらって気持ちがいいのと同じです。

その結果、稽古が終わった後は疲労感もなくスッキリします。


②心が落ち着く

 合気道は通常のスポーツのように一部の筋肉を瞬発的に緊張させるような動きではなく、相手に合わせて、ゆったりと体を動かし腹式呼吸で行いますので心も落ち着いてきます。

相手の素早い動きに対応できないのでは・・・という事はありません。

それは相手との間合いや呼吸を読むことで対応できます。

※それ故、ヨーロッパでは<moving Zen(ムービング 禅)>と言われています。



③年をとっても上達していける

  通常のスポーツや武道は大抵の場合20台後半でピークを迎えます。
 それは筋肉反射に頼るため、筋力の衰えに従い徐々にレベルダウンしていくからです。

 合気道は瞬発的な筋肉反射によることはありませんので、丁度ダンスや日本舞踊のように年をとっても上達し円熟していきます。

 それ故、国内外を問わず歳をとっても続けている方が多くいます。

 参考⇒https://www.youtube.com/watch?v=S0TtUad73XI
  https://www.youtube.com/watch?v=QnPf0Ukw7Ug

 ※もっとも稽古法が間違っていなければの話です。柔術や柔道のように主に筋力を使って稽古をする場合は別です。


④稽古が楽しい

 どちらが強いかを競うのではなく、<技をかける人>と<受け身をとる人>に分かれて「お互いにぶつかりあわず」に相手のバランスを崩す稽古体系のため痛い思いをすることは殆どありません。

むしろ相手の呼吸に合わせる稽古なので、ダンスに近い感覚です。
といっても武術なので相手を崩したり投げることもあるので、受け身をとる事も必要です。

しかし<柔道>のように「バタン」と体全体を畳に打ち付ける受け身ではなく、衝撃を逃すような柔らかい受け身ですので体に負担はありません。

参照⇒https://www.youtube.com/watch?v=-xQCK2YShyQ


⑤護身術に役立つ

 そんな緩い稽古が役に立つのかと思われますが、実際に護身術になります。

 それは相手との間合いを重視し、相手の攻撃を体捌きで躱し、相手をコントロールする動きを学ぶからです。

参照⇒https://www.youtube.com/watch?v=H6At0RIfM2s(マンガ刃牙のモデルの方です)

※レベルは人によりますので、必ずしも完全に護身術になるかというと、それは他の武道や護身術同様一概には言えません。



※実際に体験するのが一番ですので、遠慮なくいらしてください。



合気道は「剣」からきていると言われていますので、その動きも「剣」の動きと同じようになります。

といっても、現在学校で教えている「剣道」ではなく「剣術」です。


【剣道の腕の振り方】

学校で教えている竹刀を使った「剣道」と「剣術」はどこが違うかというと、

「剣道」は竹刀で相手を「叩き」ますが、このとき腕を曲げて、上腕の筋肉を使います。

また足捌きも床を「ドン」と踏みその勢いで踏み出して叩きます。


【剣術の腕の振り方】

「剣術」は木刀ないし日本刀を使いますが、竹刀ように腕の曲げ伸ばして振ることはしません。

また<叩く>のではなく、<斬る>為に刃筋を立てなければなりません。

「剣術」では腕を伸ばし、体の中心を意識し、刃先は円周をなぞるように動かします。

このとき腕は体の中心部から出た筋によってコントロールされ、竹刀で叩く時のように、

腕や肩の筋肉の収縮作用で動かすことはありません。

時には緩やかに曲がっていますが、その時でも腕の筋力をつかいません。

またこの時、足は剣道のように「ドン」と踏み込むことはありません。

それでは刃筋がぶれてしまいますので、腰の高さを一定にして滑るように動きます。

※現代の剣道の足捌きを批判している面白い記事がありましたので、関心のある方は以下をご覧ください。

⇒http://www.namiashi.net/_p/acre/26036/documents/C0BEB3A4C6B2BBA8B5AD.pdf


【合気道の腕の使い方】

合気道の動きも「剣術」と同じように腕を曲げて使うことはなく、基本的には腕を伸ばし(時には緩く曲げます)て使います。

それでは相手との距離感(間合い)はどのようにして保つかというと、「剣道」では腕を伸縮させたり足を踏み込んだりしますが、合気道は腕を伸縮させずに、体全体を動かします。いわゆる体捌きです。

その場で足を踏ん張って防御するとか攻撃するということはなく、相手の攻撃線から外れ、自分が攻撃できるような位置に動きます。

そして自分の態勢が崩れないような体捌きをします。


※養神館合気道の塩田剛三先生は常に腕を伸ばし、相手との距離感は体全体でとっています。

参照:塩田剛三の動き⇒https://www.youtube.com/watch?v=ap5V0TsumC0


何故このような動きをするのかというと、本来の武術がこのような動きだったのです。

「竹刀剣道」は目の前の相手と1対1で闘ってどちらが早く相手に当てたかというポイントをとるスポーツとして成立していますが、かつて命をやりとりしていた「剣」の世界では相手が正面の1人だけということに限らないので、相打ちに近いような状態は避けなければなりません。




昨年5月に3人の方が新しく入会され、稽古を開始しました。

皆さん合気道は初めてという事でしたが、昨年末無事5級の審査を終えました。

そこで、今後どのような稽古をしていくかについて合気会(合気道を主宰している団体で全合気道人口の70%以上が加入している)の方針に従って説明します。


1.合気道も他の武道と同じく段・級制を採用しています。

それを一つずつクリアしていくと、合気道をマスターできるという仕組みになっていますので、そのシステムに沿って指導しています。


合気会の昇級・昇段システムは、5級から始まり4級・・・1級、初段・・・8段、9段と上がっていきます。

6段で師範として指導者になります。


2.そこで私なりに各級、段で習得する内容と意味について書いてみます。

※尚、詳細な具体的な内容については、合気会の審査要項(http://www.aikikai.or.jp/information/review.html)をご覧ください。


(1)【基本的な動きについて】

合気道の動きは通常の人が学校や社会で経験するものとは少し違っていますが、それは武道特有の動き方です。というより日本人古来の動き方です。

普通歩いているときは右手が出るときは左足が出ていますが、合気道などの日本古来の技芸は右手と右足が一緒に出ます。その訓練をします。それが<足捌き>です。

剣道や空手、あるいは日本舞踊なども同じです。


次に、その<足捌き>で、合気道の技を使えるような動きを身に着けるための体全体を動かす訓練をします。

それが<体捌き>です。

これは相手とぶつからないように円の動きが前提となります。

そのうえで様々な<技>を稽古します。


(2)【各級で取得する事】

・5級は、体捌き、受け身、初期の技(一教・・・)を習得します。

 この段階では、「合気道とはこういうものだ」という動きの基礎と感覚を学びます。

  (詳細は合気会のHPを参照⇒ http://www.aikikai.or.jp/information/review.html)

・4級→3級→2級→1級と昇級する度に習得すべき技が増えていき、<初段>になった頃

 には基本的な<技>は習得し終わるという事になります。


※途中から、<座り技>という上記で習得した技を座った姿勢で行う稽古が出て来ます。

 これは嘗て畳の生活だった日本人だから必要で習っているというわけではありません。

 腰を柔軟にするために必要な稽古です。

 それにより重心移動が楽になり、いわゆる「居着く」という状態がなくなります。

 

(3)【各段で取得する事】

<初段>

・初段からはそれまでに習得した様々な技を色々な態勢でも自由に使いこなせるように訓練

 します。

・しかしこの段階では、とりあえず目の前の一人の相手が素手で向かってくるという事を前

 提とし、その相手をキチンと抑えるという事を学びます。


<二段>

・二段では短刀取りや二人掛けが加わり、相手が後ろから掛かってくる場合の技も学びま

 す。

・この段階では目の前の相手を崩す、倒す、捌く・・・といった事から、自分に向かってく

 る複数の相手をどのように捌くかという体捌きを中心に学びます。


<三段>

・三段では、更に太刀取り、杖取り、多人数掛けが加わります。

 様々な武器技と多数を相手にした場合を考えています。

・この段階になるとほぼ全ての技を色々なシチュエーションの中でも行えるようになること

 が要求されてきます。

・それまで「相手が掛かってくるのをどのように捌くか」というスタンスで対応していまし

 たが、三人になるとそれでは対応出来なくなり、「自分から相手に向かっていくこと」に

 なります。

 そうしないと自分が追い込まれてしまうからです。

 

<四段>

・四段以降は合気道の審査要項に格別マスターすべき内容は書かれていません。

・私の感覚ではそれまで習ってきた<技>を相手にかけて倒すという肉体的・物理的な動き

 から抜け出て、感覚の世界に入っていくように感じます。

・相手の手や腕をしっかりと持って技をかけるのではなく、触れる程度で<相手が崩れるよ

 うに導く>というスタンスになります。

 

<五段~>

・四段の延長線上にありますが、<自分に向かってくる相手>の手を持って崩すのではな

 く、殆ど体捌きで崩すというようなことになります。

・養神館合気道の塩田先生が、<当身>と<体捌き>だけで対応すると言われいたと思いま

 すが、そんな感じです。いちいち相手の手を持っていたら動きが止まってしまいます。

(参照⇒https://www.youtube.com/watch?v=tSdd2801G20)


 ・・・といったものですが、<四段>以降については、私自身の経験なのでそのまま他の方にも当てはまるかは判りません。





コロナが下火になり、何か運動してみたいと思われる方が増えてきていますので、私なりに合気道の稽古のメリットについて書いてみます。

尚、合気道の意義については合気会のホームページを参照してください。

(http://www.aikikai.or.jp/aikido/index.html)


①足腰が丈夫になる

 準備運動で体捌きを学びますが、足腰の動かし方を学び、実際に相手との稽古でもその足捌きを使いますので普通に歩く時より負荷がかかり筋力を発達させます。

しかし、ある程度動きが出来てくると、足を蹴るような動きでなく腰から動けるようになるので、逆に足腰の負荷がなくなり、<軽く動ける>ようになります。


②体がしなやかになり、姿勢が良くなる。

 腰を中心に動くようになると、それに連動して上半身の力が抜けてきて体全体がしなやかな動きになり、姿勢もよくなります。


③ストレスが発散できる

 力づくの強引な稽古ではなく、足先から手先、そして体全体を連動させ、呼吸に合わせて<気をめぐらせ>満遍なく動かしますので気分がすっきりします。

特に稽古の最後に呼吸投げをするとき「体全体に溜まった淀んだ気」をいっきに吐き出しますので、そのあとはすっきりします。

海外ではムービング禅と言われることもあります。


④護身術を覚えることが出来る

 攻撃する相手と正面からぶつかり合わないので、体力がない方でも習得でき、自分の力が抜けることにより、相手の動きをよりよく理解できるようになり、護身術としても使えます。

 また抑え技は、かなり<逮捕術>に近いですが、それも力技でなく相手を制する事が出来ます。


⑤ダンスのような楽しさがある

 相手の力の方向を察知してその方向に導き、相手はその結果バランスを崩しますので、 

 簡単に投げられます。・・・といってもある程度の稽古を通して体捌きが出来るようにな 

 ることが必要です。

 相手の動く気配(気)を察知しながら、相手に合わせて動くのでダンスのような動きにな

 ります。

 上手になれば殆どダンスに近くなり、あまりストレスを感じることもなく相手を抑える事が出来ます。


⑥心地よいコミュニケーションがとれる

 他人とのコミュニケーションは通常<言葉>を介して行われますが、それは言葉だけではありません。

コミュニケーションには、言葉と同時に相手の顔色や雰囲気まで含まれています。

どんなに丁寧な言葉でも、相手の雰囲気がよくなければ「不愉快」になります。

即ち、コミュニケーションはその人全体との繋がりが前提となります。


 合気道は相互に手をもって稽古をしますが、それは肉体的な繋がりだけではありません。

<気>というと「なんとなく怪しげな雰囲気」になりがちですが、相手との<気>の交流を促進します。

<攻撃的な気>の場合「間合い」が遠くなり相手をかわすような動きになり、<友好的な気>の場合は近くなり相手と接するような動きになります。

そして、相手と距離をとっての動きでもお互いを感覚的に理解しあえるようになります。







新しく稽古を始めて人に参考になるように少し書いてみます。


合気道を初めて稽古をする人は少なからず戸惑う事や疑問に思うことがあると思います。

それは通常の学校で習ったスポーツ的な動きと異なる点です。

学校の体育は<走る><跳ぶ><転がる><押す><引っ張る><蹴る>という運動が中心ですが、いずれも筋肉を緊張させて行います。

例えば、リレー、鉄棒、跳び箱、サッカー、野球・・・、武道なら剣道、柔道などです。

しかし、合気道ではそれらの運動を行うときの筋肉は使いません。


合気道の開祖は「合気道は米ぬか三合(450g)持てる力があればいい」と話しておられたといわれています。

実際、合気道の開祖は身長156㎝で巨漢の相撲の大関を投げ飛ばし、また30年前に亡くなった達人塩田剛三先生も身長154㎝と小柄で、合気道をアメリカに普及させた藤平光一先生も身長162㎝と小柄でしたが自分より遙かに大柄な外国人を圧倒していました。


私が習ったのは、彼らより少し後輩の開祖の直弟子といわれる人たちです。

開祖は「わしをまねろ」「同じように動け」といった事をいわれていたそうです。

実際に私が習った先生方は、「気がついたら倒れていた」、「開祖にもたれると体が透明になり、闘おうという気がなくなる」・・・といった事をいわれていました。

少なくとも、我々が格闘技をやるときに感じる「痛い」とか「倒された」といった感覚はなかったようです。


では先生方の様になるにはどのような稽古をすれば良いか・・・という事ですが。

先生方が常に重視していたのは<体捌き>と<相手の気にあわせた動き>です。

少なくとも力ずくで倒すような稽古ではありませんでした。

軽く触れてバランスを崩すように相手を誘導して倒していました。

その根底には<合気>というものがあったと思います。


具体的には

1.まず第一にやらなければならないのは<筋力>の否定=<脱力>です。

簡単に言うと通常格闘技でやるような、力いっぱい<掴む>とか<叩く>、<殴る>といった事をやるのは避けるべきです。

何故かというと、力いっぱい<掴む>とぃうとき、腕の筋肉を緊張させ、動きがそこで止まってしまうからです。

腕を掴む目的が相手を制圧する事ならば、相手の腕を後ろにまわすとか捻るとか一定の方向に持って行きながら相手のバランスを崩せば十分です。

ただ強く握っているだけなら、そこで動きが止まってしまうので、それから強引に制圧することになります。

そうなると大抵は筋力の強弱で勝敗が決まってきます。


足で地面を蹴るときも足の筋肉を緊張させますが、それでは一方向にしか動く事が出来ません。

いずれにしろ、筋力に頼ると、腕だけを動かすか、足だけを動かすといったように部分的な動きになります。


<脱力>すると、一部の筋肉だけに頼るのではなく、体全体をひとつの塊として動かすことが出来るようになります。

そのときは腰から動く感覚になります。


2.腕を持つことにより、相手の動きを察知する感覚を磨く

そもそも人が動くとき、あるいは腕を動かすとき、何かを掴もうとするとき、まず<心>があり、次にそれを具現化するための<気(あるいは意)>があります。

そして、<気(意)>の発動につられて<筋肉が作動>して、腕や足、体が動きます。

大体以下のような順序だと思います。

<心>→<気>→<神経>→<筋肉>→<行動>


従って、もしその<気>の段階を捉えることが出来たら、攻撃しようとする相手から逃げたり、有利な立場に立つことも可能となります。

しかし、相手の<気>を捉える事は簡単ではありません。

そこで最初の段階では、最も感覚的に鋭敏な<腕>を掴むことで相手の動きを察知します。

またこれにより、自分の動きをコントロールする事も出来るようになります。

稽古をしていくと、やがて腕を掴まなくても相手の動きが判ってきます。


3.そして相手から攻撃を受けないためには、ただ腕を持っているだけでは意味がないので、<体捌き>の練習が必要になります。

そこでは攻撃してくる相手との関係を考えると体捌きが必要になります。

即ち、相手の動きを察知し、自分が有利なポジションに立つための体捌きです。

相手が動いているのを見てから後追いで動くいていては、相手の攻撃に間に合いません。

相手の動きにおくれないためには、相手の<気>の起こりを捉える事が必要です。

即ち、相手が動こうとする<その瞬間>を捉えなければなりません。


それは目で見て動くのではなく、相手の動きを感じて一緒に動く事が必要です。

即ち、社交ダンスのように一緒に動く事です。

相手の動きを鏡に映したように同じ速度で動く事です。

同時に相手の呼吸と自分の呼吸を合わせることも必要になってきます。

それが出来るようになるためには<体捌き>の練習が不可欠になってきます。

これが出来てくると、相手の動きが良く判るようになります。


私の先生の多田師範(合気会9段)は常に「相手に同調しなさい」と言われておりました。

また江戸時代の剣豪の極意に「相手を映せ」というのがありますが同じ事だと思います。









1.合気道を何故稽古をするのか。

(1)武道としては、他に剣道、空手、柔道などがあります。

それらは竹刀を持って叩き合う、手や足で攻撃する、相手を掴んで倒す、といった競技に特化したスポーツです。

そしてそ多くの方は学生時代に習って、社会人となってからは辞めています。


(2)それに対して,合気道は社会人になってから始め、その後続いていて時には数十年も稽古をしている方も少なくありません。

これは国内外を問わず同じようです。


合気道が他の武道のように勝敗を競うものでもなければ、相手を倒す事もしないというのも一つの理由だと思います。(受け身はありますが)


(3)では、一体何を目的に稽古をしているのでしょうか。


2.「健康の為」

というのが私の感想です。

(1)それならば、

「ジョギングや早足で散歩をするとか、ラジオ体操をすれば良いのでは」

あるいは

「卓球やテニスでも十分では」

と思われる人も多いと思います。


(2)しかし、かなり違います。

<ジョギング>や<散歩>、<ラジオ体操>や<卓球>や<テニス>・・・といった運動は確かに筋肉をほぐし、血行を良くし、それなりにストレスを発散させてくれます。

問題なのは、それがあくまで殆ど<筋肉>を中心とした肉体的な動きに偏っているからです。


(3)合気道は、名前のごとく<気>というものが中心になっています。

合気道の流派の中には<気の研究会>(現:心身統一合気道)(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B0%A3%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6%E4%BC%9A)

という<気>を重視するものがあります。

この流派はWikiに掲載されているように合気道の植芝開祖の一番弟子だった藤平光一先生(十段)が主宰され、野球の王貞治選手を始め、多くの著名人に影響を与えています。

それは肉体的な運動も<気>が中心とならなければならないという<教え>によるものだと思います。


(4)具体的に説明すると

スポーツではそのスポーツで必要とされる特定の筋肉を強くする事が殆どです。

例えば、柔道なら腕の筋肉、胸の筋肉、足の筋肉・・・といったようにそれぞれの筋肉を競技で使えるように増強します。


しかし、合気道で足の先から腰、上半身、腕、手のひら、といった身体の各部を通し、足先から手の先までを連動させることになります。

合気道の稽古はそのような体を通す<気>を錬磨するように稽古します。

このとき特に<腰>を中心に鍛えていきます。


自分の体については、そのような稽古をし、次に相手の動きにあわせて動く稽古をします。

このとき相手の<気>の動きや流れを体感し、それにあわせて動きます。


そういった動きに慣れてくると、相手の体に触れなくても相手を導くような動きが可能となります。

そして時には相手と一体化し、さながら社交ダンスのような動きになることもあります。

自分が相手を<強引に>引っ張ったり、<倒し>たりすることなく、相手と動く事は「筋肉に負担をかけず」に動く事になり、楽しさを感じることもあります。

それ故、海外でも年配者が稽古をしている事も多いのではないかと思います。

 





最近毎日のように殺傷事件が起きている。

ナイフで刺したり、殴ったりと様々な事件がTVで放送されている。


YOU TUBEに載っている<護身術>や<合気道>はそのようなとき役に立つのかだろうか?


私からすると色々と問題があるように思う。


(1)まず、気になるのはYouTubeに見られる護身術の動画では、攻撃者が本気で掛かっていない点である。

何となく攻撃しているように見える。

このような<攻撃>には、このような<防御>方法がある・・・というようなパターン化した型を見せているだけのように見える。

そして、防御するときは相手の手を取って抑えたり、時には殴ったり、蹴ったりしながら反撃している。

しかし、実際に襲ってくる犯人は<全力>で向かってくるのが普通だ。

そうすると、被害者がそれを腕で受け止めたり、抑えたりするということは殆ど不可能だと思う。


(2)YouTubeでは、体格的にあまり変わらない人間が攻撃しているが・・・
 実際には、襲う者は自分より弱者を狙うはずだ。

 少なくとも反撃してくるような体格の者は狙わないのではないか。

 体格的に劣っている人間が、体力で反撃するのは殆ど不可能!


(3)ではどうするか・・・体捌きで相手の攻撃を避け、当て身を入れるか、そのまま投げてしまうのが良いと思う。


第二次世界大戦で戦った養神館合気道の塩田先生が「実際は<当て身>と<体捌き>だ」と言ったといわれるが、そうだと思う。

  *塩田先生は身長154㎝、体重46㎏と当時の日本人からしてもかなり小柄だった。

全力でかかってきた相手の腕をとって一教、二教・・・四方投げ、小手返し・・・といった技をきめるのは非現実的なように思える。

特に相手が力が強い人や大きな体格の持ち主だった場合、その腕を持って技を掛けるということは無理がある。


(4)実際に役立つようにするためには、どのような稽古をすれば良いか。


①体捌き

  ・相手の動きに連動するようする 

   横面打ちの稽古が一番良いと思う。

   相手を「写す」ように動けというのが古来からの日本の剣術の教えだ。

   そのように動けるようになれば、相手の動きがわかってくる。


  ・腰から動く

   上記のように連動するためには、相手の動きを「目で見て」から動くいていては、

   一歩遅れる。

   相手と連動して動くためにも、足の反発力ではなく、腰から動かなければならない。

   

②体全体が一つになるような稽古

          ・・・それにより<当て身>が威力を持つようになる。

 ・一教、二教、・・・四方投げ・・・といった技を練習するのはこのためだと思っている

 従って、それらの技を稽古するときには、この技で相手を倒そうとすることよりも、足の  

 先から腰を通って手の先まで<気>が連動していくような稽古が必要。

 そういった稽古をすることで、当て身に全体重が乗ってくる。

 上記の小柄な塩田先生の一撃が相手を倒す威力を持つのである。

 またその為にも、相手との<意識の連動>が必要だと思う。

 塩田先生が<対すれば和す>といった言葉を残しているが、そのことだと思う。

※実際はかなり体が出来ていないと無理だと思うが、それを意識して稽古をしないと合気道の稽古をしていても単なる<肉体的運動>というだけになってしまう。



※敢えて苦言を言わせてもらうと、それがわからず合気道の教本の型を繰り返すだけの稽古をしている人が殆どだ。

それではその部分の筋肉を鍛えるだけになってしまう。

また体捌き自体が出来ていない人が多い。


一度空手や柔道をやる人と稽古をした方が良いと思う。

昔の道場には空手や柔道の有段者がよくいたし、私も影響を受けて空手を2年間くらい稽古をしたことがある。