海外の合気道と稽古について

オリンピックが放送されていますが、合気道をやっている身としては自然に柔道に目が行きます。

フランスでは柔道が盛んでフランスの人口は日本の半分程度なのに柔道人口は日本の4倍の53万人だそうです。

合気道も人気があるようでWIKIによると有段者3000人、稽古者数30数万人と書かれております。

ちなみに世界の合気道人口は160万人でそのうち日本が100万人くらいですのでフランスはおそらく海外で一番盛んな国だと思います。

それ故、本部道場にも多くのフランス人が来ています。


【フランスと日本】

フランス人が合気道好きというのも、昔から日本の文化と相性がよかったからだと思います。フランスでは浮世絵や広重を大変好まれ、逆に日本ではフランスの絵画や映画から香水まで人気でした。

私も若い頃「太陽がいっぱい」(主演アランドロン)、「シュエルブールの雨傘」(主演カトリーヌドヌーブ)といった映画や音楽でもミッシェルポルナレフやジルベルベコーなどが大好きで、そのころはシャンソンを聴きに銀座にある銀パリというシャンソン喫茶に会社の帰りによく通いました。


現在は日本人はあまりフランスかぶれにはなっていませんが、どちらかというとフランス人は日本のアニメに熱中しており、ドラゴンボールやナルトが流行っているようです。


【ドイツでの思い出】

日本のアニメが好まれているのはフランスだけでありませんでした。

今から30年前東西ドイツが統合した頃、東ドイツのドレスデンの合気道場にドイツ人の友人の誘いで遊びに行った事がありますが、TVで人気だったのが日本ではとっくに放送終了になっていたアタックNO1のアニメでしたので驚きました。

バレーボールが人気があったのかもしれませんが、TVで昔のブルマを履いた女の子たちが試合をしているのは何か怪しげなものを見せられているようで奇妙な感覚でした。


何故かそんな昔だったにも拘わらず、ドレスデンにはしっかりとした合気道の道場が出来ており、稽古人が30人くらいいました。

皆さん背が高く足も長いのですが、それ故バランスを崩しやすく楽しい思い出でした。


そこの道場主は3段で(当時私も3段でした)、おそらく初めて日本人が道場に来たのだと思いますが、少し稽古をしては私の顔をジロジロ見ていましたので、後でドイツ人の友人に聞いたら自分がおかしなことを教えていると指摘されるのではないかとかなり気にしていたそうです。

当時の私と同じレベルで道場を開くほどではないと思いましたが、東西ドイツが統一してまともな社会が形成されていないところで、彼らから見ると超先進国で合気道の本場の日本人が来たというので歓待されました。

ちなみに私の妻はドイツ語の翻訳家でしたので、ドイツ人の友人の片言の日本語でもなんとかなりました。


【本部道場での稽古】

現在も本部道場にはかなりの数のフランス人が来ていますが、問題なのは、彼らは体臭がきつく(差別用語かもしれませんが)それ故香水をつけてごまかそうとしているのでしょうが、夏になると稽古による汗と香水が混ざって異様な匂いとなります。

(本部で稽古をするときは注意してください!!)


合気道は相手の腕を掴んで稽古なのでそれほど密着しているわけではないのですが、今オリンピックでやっている柔道のように体をひっつけたり、寝技があったりすると、おそらく体臭はすごくて大変だと思います。

もっともオリンピックに出るような日本人の選手は海外慣れして平気なのかもしれませんが、肉食文化の体臭は草食文化の私には少し堪えます。


しかし本部道場での外国の方との稽古は日本人同士の稽古と異なり力の入れ方や体捌きが独特な方もおり、それなりに刺激的です。

時々、私のやり方がきにいらないのか文句を言う方もいましたが・・・。

そのときは「私が習ったのとは違う」と強く主張されましたが、その方は自分の先生のやり方だけが正しいと固執しているようでした。


<外国人との稽古>

 本部道場での外国人との稽古の感想です。

 ・ブラジルの方は手が長く四方投げをしても相手の手を潜り抜けダンスの様になってしま

  います。そこで自分勝手に回らずに相手の動きを体感しながら、回っている途中で相手

  が潜り抜けないように相手の腕をおろしました。

 ・ドイツの方は筋力に頼った柔道的な感覚でやられている方と太極拳や気功のような感覚

  でやられている方がいるようでした。

  前者と稽古をするときは出来るだけ力を抜いて、相手に合わせながら相手を誘導するよ 

  うな技で対応しました。

  後者は触れるか触れないかで技を掛けてきてきましたので、逆にしっかりと相手の腕を

  にぎりました。そんな時結構受け身をとらないと文句を言ってくることがありました。

 ・イタリアの方は自己主張が強く、<自分が習った合気道>に固執しがちなようでした。

  私が最初に指導を受けたのがイタリアに合気道を普及した多田先生だというと、「マエ 

  ストロ(先生という意味ですが、イタリア人はこの様に言う方が多いです)多田はそん

  なやりかたはしていない」と一方的に文句を言われたことがありました。


いずれにしろ外国の方は自己主張が強いのでそれなりに合わせて稽古をせざるを得ません。

それでも私がある程度上手くなってきた時には、皆さん殆ど文句を言わなくなりましたが、やはり皆さん自分がならった合気道に固執していました。


指導者により色々とやり方がありますが、元は開祖が創られた武道(?)であり、それは型にはめようとしたものではありません。


「合気道は入身と転換の体捌きと呼吸力から生まれる技によって、お互いに切磋琢磨し合って稽古を積み重ね、心身の錬成を図るのを目的とする」(合気会HP)と書かれていますが、余りに抽象的なので、「合気道とは相手の力に逆らうことなく、相手の力を自らに取り込んで、一体化して相手を制する武道です。」(養神館龍のHP)の方が具体的でわかりやすいと思います。

それ以上は心や宗教の問題になってくるので説明は困難です。


私は<精神的>にも<肉体的>にも健康になれるので稽古をしています。

では<武道>としての<合気道>はどうなんだろうか・・・という事については以前「2023年7月」(https://aozoraaikido.amebaownd.com/posts/46025397)の記事で書きましたので参考にしてください。


尚、私が師事した多田先生は<合気道は生命力を高める>ものだとおっしゃっています。



あおぞら合気道(調布)AOZORA AIKIDO (in Chofu)

2011年創設の調布市の合気道の道場。様々な年代の男女が楽しく稽古をしています。 稽古日時:毎週木曜日の19時~20時30分、土曜日13時~15時あるいは15時~17時。施設の都合で変わります。         師範(instructor):合気会6段(aikikai 6-dan) 連絡先(contact address):aozora.aiki@gmail.com

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