あけましておめでとうございます。
本年もケガをしないように楽しく合気道の稽古を続けたいと思います。
昨年度はコロナが開けたという事もあるのでしょうか、想定外に参加者が増えました。
稽古をされる方も、初心者から十年以上の経験者とかなりレベルの差がありますが、経験者(特に有段者)の方は自分が初心者に教えるとき結構自分の理解が不十分だったと思う事もあるのではないでしょうか。
私も2段頃までは新しい人に教えるとき、技が掛からなかったり、想定外の受け身をとられたりとかなり焦った記憶があります。
しかしそれが自分の動きを見直すいいきっかけになったと思いますので、技が掛からないときも胡麻化さずに、考えながら稽古をすると得るところが大きいと思います。
<体捌きについて>
初心者の方にとって合気道の動きは、手と足を一緒に動かすので日常生活の動きや学校体育の運動とはかなり異なり戸惑う事もあるかと思いますが、江戸時代までの日本人の動き方だと思って学ぶと良いかと思います。
現代の歩いたり、走ったりする動きは明治時代以降に西洋文明が入ってきてからの動きだと言われています。
即ち、ズボンやスカートを履いた動きであり、着物で歩いていた江戸時代以前の日本人の動きではない・・・と言われています。
しかし武術として学ぶ為にはこのような動きを身につけなければなりません。
他の武道、例えば世界的に流行っている空手などもこのような動きで外国の人も日本人と同じように右手と右足を同時に出したりしていますので、それなりの合理性があるのだと思います。
同じ格闘技でもボクシングでは右手と右足を一緒に動かすということはあまりありません
が、偶にプロボクサーのチャンピオン井上尚弥がそんな動きを見せます。
また、フェンシングでは右手、右足を一緒に動かしますので、武術として動くときはそれなりに合理性があるのではないかと思います。
稽古の最初に体捌きや転換の練習をしているのは、はやくそのような動きが身につくようにという事でやっていますので、家で暇な時にやってみるのも良いと思います。
ただ、その時気を付けてもらいたいのは、足を大きく動かす事に気をとられるのではなく、腰から動くという事を意識して下さい。
<座り技について>
ときどき座り技を稽古します。
これは合気道が江戸時代からある城中での護身術の名残という人もいますが、むしろ腰を柔らかくするためのものと考えた方が良いと思います。
通常稽古を始めたばかりの人は腰が固く、左右の足の上で“ひと塊”になっています。
その為、例えば右足が畳に接しているとき、全体重が右足に乗り、次に動くとき、その右足で畳を強く蹴って左足に全体重を移動させなければなりません。
極端ですが判りやすくいうと陸上の選手がスタートダッシュするとき、右足→左足→右足・・・といった体重移動をしているような格好になります。
しかしこのような状態を昔は“居着く”と表現し、昔の侍はそのような一瞬動きが止まった状態になるとワンテンポ遅れ<斬られ>てしまうので、とても嫌ったと言います。
そしてそのような“居着く”状態にならないための稽古を色々したようです。
私が読んだ本には昔の剣道の道場では板の上に油を敷いて滑りやすくしたり、小豆をばらま
いて踏みしめると痛いのでそれを避けるような動きを体得させたりするような稽古をしてい
たようです。
合気道は体術ですので同じような稽古をしても意味がありません。
そこでどのようにすれば“居着く”ことなく動けるようになるか・・・というと座り技や膝行が腰を柔らかくする効果があり、“居着かなくなる”と考えられたのではないかと思います。
それにより、相手が攻撃を仕掛けてきた時も遅れる事もなく動けるようになると思います。
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