最近毎日のように殺傷事件が起きている。
ナイフで刺したり、殴ったりと様々な事件がTVで放送されている。
YOU TUBEに載っている<護身術>や<合気道>はそのようなとき役に立つのかだろうか?
私からすると色々と問題があるように思う。
(1)まず、気になるのはYouTubeに見られる護身術の動画では、攻撃者が本気で掛かっていない点である。
何となく攻撃しているように見える。
このような<攻撃>には、このような<防御>方法がある・・・というようなパターン化した型を見せているだけのように見える。
そして、防御するときは相手の手を取って抑えたり、時には殴ったり、蹴ったりしながら反撃している。
しかし、実際に襲ってくる犯人は<全力>で向かってくるのが普通だ。
そうすると、被害者がそれを腕で受け止めたり、抑えたりするということは殆ど不可能だと思う。
(2)YouTubeでは、体格的にあまり変わらない人間が攻撃しているが・・・
実際には、襲う者は自分より弱者を狙うはずだ。
少なくとも反撃してくるような体格の者は狙わないのではないか。
体格的に劣っている人間が、体力で反撃するのは殆ど不可能!
(3)ではどうするか・・・体捌きで相手の攻撃を避け、当て身を入れるか、そのまま投げてしまうのが良いと思う。
第二次世界大戦で戦った養神館合気道の塩田先生が「実際は<当て身>と<体捌き>だ」と言ったといわれるが、そうだと思う。
*塩田先生は身長154㎝、体重46㎏と当時の日本人からしてもかなり小柄だった。
全力でかかってきた相手の腕をとって一教、二教・・・四方投げ、小手返し・・・といった技をきめるのは非現実的なように思える。
特に相手が力が強い人や大きな体格の持ち主だった場合、その腕を持って技を掛けるということは無理がある。
(4)実際に役立つようにするためには、どのような稽古をすれば良いか。
①体捌き
・相手の動きに連動するようする
横面打ちの稽古が一番良いと思う。
相手を「写す」ように動けというのが古来からの日本の剣術の教えだ。
そのように動けるようになれば、相手の動きがわかってくる。
・腰から動く
上記のように連動するためには、相手の動きを「目で見て」から動くいていては、
一歩遅れる。
相手と連動して動くためにも、足の反発力ではなく、腰から動かなければならない。
②体全体が一つになるような稽古
・・・それにより<当て身>が威力を持つようになる。
・一教、二教、・・・四方投げ・・・といった技を練習するのはこのためだと思っている
従って、それらの技を稽古するときには、この技で相手を倒そうとすることよりも、足の
先から腰を通って手の先まで<気>が連動していくような稽古が必要。
そういった稽古をすることで、当て身に全体重が乗ってくる。
上記の小柄な塩田先生の一撃が相手を倒す威力を持つのである。
またその為にも、相手との<意識の連動>が必要だと思う。
塩田先生が<対すれば和す>といった言葉を残しているが、そのことだと思う。
※実際はかなり体が出来ていないと無理だと思うが、それを意識して稽古をしないと合気道の稽古をしていても単なる<肉体的運動>というだけになってしまう。
※敢えて苦言を言わせてもらうと、それがわからず合気道の教本の型を繰り返すだけの稽古をしている人が殆どだ。
それではその部分の筋肉を鍛えるだけになってしまう。
また体捌き自体が出来ていない人が多い。
一度空手や柔道をやる人と稽古をした方が良いと思う。
昔の道場には空手や柔道の有段者がよくいたし、私も影響を受けて空手を2年間くらい稽古をしたことがある。
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