先ほどWBAタイトルマッチで井上尚弥がわずか70秒で相手を倒した。
見事だったが、少し驚いた。
井上の左のジャブで相手の体が少しのけぞった所に右のストレートが決まってノックダウンした。
確かに相手の動きが雑で、井上にはパワーとスピードがあった。
しかし驚いたのは右のストレートを打ったとき、普通のボクサーのように上半身が伸びきっていなかったことだ。
通常ボクシングではフックやストレートを打つときでも足はそのままの場所で、上半身を動かして腕を伸ばして打つことが多い。
これはおそらく相手の攻撃をウィービングという体を揺らして避けながら攻撃するからだと思う。
しかし今回は腕と体が一緒に動き、腕も伸びきっていなかった。
どちらかというと空手か日本拳法の追い突きのような格好だ。
通常のボクシングのフックやストレートのような大きなモーションがあればなんらかの形でディフェンスが出来たかもしれないが、予備動作もなく、いっきにショートレンジからまっすぐに突きが入っているので防御できなかったのかもしれない。
本人もパンチが見えなかったといっているのだからそうかもしれない。
右腕と一緒に体も前に動いているので拳に体重がうまく乗っているのでカウンターのような衝撃だっただろう。
少なくとも通常のボクシングのパターンではなかったように思う。
武道では右手が動くときに右足が一緒に動かすが、通常の動きでは右手と右足は一緒に動かない。いっとき一緒に動くことを「なんば歩き」といっていたことがある。
明治以前の日本人の歩き方だと説明していた。
本当はどうだかわからないが確かに刀を腰に差していたとき、なんば歩きでないと刀が腰と一緒に振られれしまう。
井上が何故あのようなストレートが撃てたのか・・・どうみても通常のボクシングのパンチのようには見えない・・・本能なのかもしれない。
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