合気道の段・級について

昨年5月に3人の方が新しく入会され、稽古を開始しました。

皆さん合気道は初めてという事でしたが、昨年末無事5級の審査を終えました。

そこで、今後どのような稽古をしていくかについて合気会(合気道を主宰している団体で全合気道人口の70%以上が加入している)の方針に従って説明します。


1.合気道も他の武道と同じく段・級制を採用しています。

それを一つずつクリアしていくと、合気道をマスターできるという仕組みになっていますので、そのシステムに沿って指導しています。


合気会の昇級・昇段システムは、5級から始まり4級・・・1級、初段・・・8段、9段と上がっていきます。

6段で師範として指導者になります。


2.そこで私なりに各級、段で習得する内容と意味について書いてみます。

※尚、詳細な具体的な内容については、合気会の審査要項(http://www.aikikai.or.jp/information/review.html)をご覧ください。


(1)【基本的な動きについて】

合気道の動きは通常の人が学校や社会で経験するものとは少し違っていますが、それは武道特有の動き方です。というより日本人古来の動き方です。

普通歩いているときは右手が出るときは左足が出ていますが、合気道などの日本古来の技芸は右手と右足が一緒に出ます。その訓練をします。それが<足捌き>です。

剣道や空手、あるいは日本舞踊なども同じです。


次に、その<足捌き>で、合気道の技を使えるような動きを身に着けるための体全体を動かす訓練をします。

それが<体捌き>です。

これは相手とぶつからないように円の動きが前提となります。

そのうえで様々な<技>を稽古します。


(2)【各級で取得する事】

・5級は、体捌き、受け身、初期の技(一教・・・)を習得します。

 この段階では、「合気道とはこういうものだ」という動きの基礎と感覚を学びます。

  (詳細は合気会のHPを参照⇒ http://www.aikikai.or.jp/information/review.html)

・4級→3級→2級→1級と昇級する度に習得すべき技が増えていき、<初段>になった頃

 には基本的な<技>は習得し終わるという事になります。


※途中から、<座り技>という上記で習得した技を座った姿勢で行う稽古が出て来ます。

 これは嘗て畳の生活だった日本人だから必要で習っているというわけではありません。

 腰を柔軟にするために必要な稽古です。

 それにより重心移動が楽になり、いわゆる「居着く」という状態がなくなります。

 

(3)【各段で取得する事】

<初段>

・初段からはそれまでに習得した様々な技を色々な態勢でも自由に使いこなせるように訓練

 します。

・しかしこの段階では、とりあえず目の前の一人の相手が素手で向かってくるという事を前

 提とし、その相手をキチンと抑えるという事を学びます。


<二段>

・二段では短刀取りや二人掛けが加わり、相手が後ろから掛かってくる場合の技も学びま

 す。

・この段階では目の前の相手を崩す、倒す、捌く・・・といった事から、自分に向かってく

 る複数の相手をどのように捌くかという体捌きを中心に学びます。


<三段>

・三段では、更に太刀取り、杖取り、多人数掛けが加わります。

 様々な武器技と多数を相手にした場合を考えています。

・この段階になるとほぼ全ての技を色々なシチュエーションの中でも行えるようになること

 が要求されてきます。

・それまで「相手が掛かってくるのをどのように捌くか」というスタンスで対応していまし

 たが、三人になるとそれでは対応出来なくなり、「自分から相手に向かっていくこと」に

 なります。

 そうしないと自分が追い込まれてしまうからです。

 

<四段>

・四段以降は合気道の審査要項に格別マスターすべき内容は書かれていません。

・私の感覚ではそれまで習ってきた<技>を相手にかけて倒すという肉体的・物理的な動き

 から抜け出て、感覚の世界に入っていくように感じます。

・相手の手や腕をしっかりと持って技をかけるのではなく、触れる程度で<相手が崩れるよ

 うに導く>というスタンスになります。

 

<五段~>

・四段の延長線上にありますが、<自分に向かってくる相手>の手を持って崩すのではな

 く、殆ど体捌きで崩すというようなことになります。

・養神館合気道の塩田先生が、<当身>と<体捌き>だけで対応すると言われいたと思いま

 すが、そんな感じです。いちいち相手の手を持っていたら動きが止まってしまいます。

(参照⇒https://www.youtube.com/watch?v=tSdd2801G20)


 ・・・といったものですが、<四段>以降については、私自身の経験なのでそのまま他の方にも当てはまるかは判りません。





あおぞら合気道(調布)AOZORA AIKIDO (in Chofu)

2011年創設の調布市の合気道の道場。様々な年代の男女が楽しく稽古をしています。 稽古日時:毎週木曜日の19時~20時30分、土曜日13時~15時あるいは15時~17時。施設の都合で変わります。         師範(instructor):合気会6段(aikikai 6-dan) 連絡先(contact address):aozora.aiki@gmail.com

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