合気道は「剣」からきていると言われていますので、その動きも「剣」の動きと同じようになります。
といっても、現在学校で教えている「剣道」ではなく「剣術」です。
【剣道の腕の振り方】
学校で教えている竹刀を使った「剣道」と「剣術」はどこが違うかというと、
「剣道」は竹刀で相手を「叩き」ますが、このとき腕を曲げて、上腕の筋肉を使います。
また足捌きも床を「ドン」と踏みその勢いで踏み出して叩きます。
【剣術の腕の振り方】
「剣術」は木刀ないし日本刀を使いますが、竹刀ように腕の曲げ伸ばして振ることはしません。
また<叩く>のではなく、<斬る>為に刃筋を立てなければなりません。
「剣術」では腕を伸ばし、体の中心を意識し、刃先は円周をなぞるように動かします。
このとき腕は体の中心部から出た筋によってコントロールされ、竹刀で叩く時のように、
腕や肩の筋肉の収縮作用で動かすことはありません。
時には緩やかに曲がっていますが、その時でも腕の筋力をつかいません。
またこの時、足は剣道のように「ドン」と踏み込むことはありません。
それでは刃筋がぶれてしまいますので、腰の高さを一定にして滑るように動きます。
※現代の剣道の足捌きを批判している面白い記事がありましたので、関心のある方は以下をご覧ください。
⇒http://www.namiashi.net/_p/acre/26036/documents/C0BEB3A4C6B2BBA8B5AD.pdf
【合気道の腕の使い方】
合気道の動きも「剣術」と同じように腕を曲げて使うことはなく、基本的には腕を伸ばし(時には緩く曲げます)て使います。
それでは相手との距離感(間合い)はどのようにして保つかというと、「剣道」では腕を伸縮させたり足を踏み込んだりしますが、合気道は腕を伸縮させずに、体全体を動かします。いわゆる体捌きです。
その場で足を踏ん張って防御するとか攻撃するということはなく、相手の攻撃線から外れ、自分が攻撃できるような位置に動きます。
そして自分の態勢が崩れないような体捌きをします。
※養神館合気道の塩田剛三先生は常に腕を伸ばし、相手との距離感は体全体でとっています。
参照:塩田剛三の動き⇒https://www.youtube.com/watch?v=ap5V0TsumC0
何故このような動きをするのかというと、本来の武術がこのような動きだったのです。
「竹刀剣道」は目の前の相手と1対1で闘ってどちらが早く相手に当てたかというポイントをとるスポーツとして成立していますが、かつて命をやりとりしていた「剣」の世界では相手が正面の1人だけということに限らないので、相打ちに近いような状態は避けなければなりません。
0コメント