本日の稽古は小手返し。
合気道の技の中では判りやすく、掛かりやすいので好んでやる人が多い技です。
しかし、それは「手首を捻られると痛いので、相手が受けをとってくれる」という習慣がある場合が多いのが実情なのではないでしょうか。
色んなシチュエーションがありますのでそのケースに合わせた稽古をしました。
1.仕手が突いた腕や拳を堅く握っていて曲がらないケース
その場で捻っても動かないのは当たり前で、無理にやると手首を痛めます。
そこでどうするか
①伸びた手と拳をそのまま真横に移動させる。
横に動くのを妨げる力は働いていないので簡単にできるが、自分の腕に力を入れると
相手も同じように力をいれて動かすまいと頑張るので、<単に方向を変えるだけ>と
いう感覚で筋肉を緊張させないで動かす。
それでも相手は通常拳を固めているので、拳を無理に捻るのではなく、腕を全体とし
て返してあげる(まわしてあげる)と相手は転びます。
*このとき、小手返しだから手首を捻らなければならないという思い込みは捨てた方
がいいでしょう。
小手返しにしろ、他の技にしろ、相手を倒す(崩す)ひとつの手段なので、<こ
の技>をやらなけらばならないという思い込みは捨てないと単なる力業になった
り、関節を痛めたりするだけになってしまいます。
②突いてきた拳をその位置で掴むのではなく、そのまま<突き>が行こうとする方向に相手を誘導する。
相手は突く目標を失うのでバランスを崩します。
そんな状態では拳を固めて頑張ることは出来ませんので、簡単に通常の小手返しができ
ます。
このときも相手が完全にバランスを崩し前のめりになっているときは、無理に小手返し
をせずに、そのまま前方に投げた方が合理的です。
態勢が完全に崩れた相手に無理に小手返しをするのは、相手を起き上がらせバランスが
とれるようにしてしまうので、逆に攻撃してきた相手を助ける事になってしまいます。
③<強く握った拳>を返すのではなく、柔らかく手の甲の面から爪先の方角に撫でる。
これは心身統一合気道系の合気道でよくやる方法です。
相手の<気>を誘導するやり方ですが、<柔らかく>手を撫でるというのはなかなか難
しいかと思いますが、力を入れずにやるので女性でも出来ます。
2.仕手が<突いて>きた腕をすぐに引っ込めたとき
このときは、小手が返しは出来ませんので、引っ込めた腕を肘から下に向けて押してあげると簡単に倒れます。
力で押すと、動かないかもしれないので、相手の拳にて手のひらを乗せて、<ただ下の方向に向けて持って行く>という感覚でやると崩れます。
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