通常運動に使われる筋肉は<屈筋>という腕を曲げるときに使う筋肉と<伸筋>という腕を伸ばすときに使われる筋肉を拮抗しながら使っていると言われています。
<屈筋>は相手の腕を引っ張る時に使われます。 自分でやってみても分かると思いますが、相手の胸ぐらを掴むように腕に力を入れてみると、腕だけでなく身体全体も緊張します。 その状態で動こうとすると、足で地面を蹴るような動きになります。
<伸筋>は自分の腕を伸ばす時に使われます。 合気道の準備運動でやる<舟こぎ運動>のように両手を大きく伸ばす動きです。 この<伸筋>を伸ばした状態では、前に動くとき足は緊張して固まることもなく、軽く歩けると思います。むしろ前方に誘われるように動くと思います。 合気道で使われる筋肉はこちらが主流だと思います。 無論<屈筋>も使いますが、それはバランス上使っているという感覚です。
呼吸するときに、腕を曲げ<屈筋>を緊張させた状態でやると身体が固まって結構大変です。 腕を伸ばしながら、身体を開くようにすると空気が身体全体に入ってきますが、そのときに一緒に動いているのが<伸筋>が中心になっています。
剣道の稽古で腕を曲げて竹刀の素振りをしますが、<屈筋>の動きの為、相手を叩くのには適しているのかもしれませんが、日本刀の扱いには適しません。 日本刀は約1㎏あり、刃筋を意識して斬るものです。
腕の筋肉の収縮作用では通常斬ることは出来ません。
日本刀で斬る時は、腕や上半身ばかりではなく、身体全体で斬らなければなりません。
腕だけで振ると、結局<叩く>という事にしかなりません。 私の感覚では柄をしっかりと握るというのではなく、落とさない程度に柔らかく持って、身体の前面の筋肉ではなく、腰の動きと背中の筋肉で日本刀の重さを使って円を描くように、刃を落としていくという感じです。 斬るときに<意志>を入れると<刃筋>がぶれてまっすぐに斬れなくなります。 そこで使われているのは<屈筋>ではなく<伸筋>だと思います。
合気道が剣の動きといわれるは、そういったことも関係してくると思います。
合気会の師範の中で、人気の高かった山口先生は滑らかな動きをしていますが、剣術(剣道でなく)もよくやられていたと聞いています。
(参考動画) https://www.youtube.com/watch?v=1ZB9cPvmNDE&t=1523s
では<伸筋>を鍛えるのにはどうすれば良いかというと・・・・・・・・・・・・ 私が習ったのは<舟こぎ運動>と<木刀の素振り>です。 経験上、<居合い>の稽古も良いと思います。
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