稽古のやり方

稽古のやり方は人色々です。

初心者からある程度の技量を身につけた人まで。

どうすることに気をつけないといけなか・・・といいますと、「上半身をまっすぐにすること」、「体の上下動をなくすこと」、「相手に合わせること」,「足を踏みしめないこと」・・・といった事が思いつきます。

それ以外にも色々ありますが説明しづらいところもあります。

そのひとつが「体をひとつにすること」。

武道のそれなりの方が書かれた本には時々出てくる言葉ですが、いったい何を言っているのかわからない・・・ととられる方が多いと思います。

私もわかりませんでしたが、体が出来てきて始めて納得しました。

それは前回書いたように、他の武道では「なげる」「蹴る」「打つ」といった事を、足を動かし止まってから手を動かすという、下半身と上半身を一緒に動かしていないケースが多いからだと思います。そのような動きを「２調子」といいます。

それでは近づいたときに相手が逃げてしまったり簡単に避けたりすることが出来ます。

何故そのような稽古方法になるかというと、通常のスポーツの動作の延長上の動きで覚えやすいからだと思います。特に大学の体育会などでやると掛け声と共に「イチ、ニィ・・・」などと一斉に突きをやったりしていれば、それなりに鍛えているように思えます。

合気道が難しいのは上半身と下半身を一緒に動かすからです。

四方投げのときは足を踏みしめているように見えますが、足の拇指球を軸に腰を中心に動いています。

即ち、「手を持ったら、足を止めて、後は上半身の筋肉の動き」という動きではありません。

無論体を作る為にある程度足を踏みしめたりすることはあります。しかしそのような稽古ばかりでは結局力技となってしまい、「武術」といえるのか、即ち私のように年をとって体が小さい人間でも大きい人に勝てるのか・・・という事になります。

特に初心者の場合、（私もそうでしたが）例えば突きを捌こうとして手で相手を避けるのに精一杯になり体が弓なりになったりします。そんなときでも体の中心軸をぶれないように体を動かさなければなりませんが、なかなか出来ませんでした。

それが出来るようになるには「腰」を鍛えなければなりません。

かかとをあげた木刀の素振りはとても大切です。

少々つらいポーズをとりますが、少しずつでもやった方が良いと思います。

それ以外のやり方では、中国拳法を知っている人の間では有名な鍛練法ですが、「站樁（たんとう）」とか「立禅」という方法もありますが、もっとつらく、退屈です。

嘗て空手の「極真会」が取り入れた稽古をＴＶで放送していたのを見たことがあります。