初めて合気道を稽古する方に

先日、体験説明会に参加された方は合気道を初めてされる方ばかりのようなので、合気道について簡単に説明します。

1．コンセプトについて

　柔道、剣道、空手等の一般に武道といわれるものは、投げたり、竹刀で叩いたり、手や足で打ったりして、どちらが優れているかを競うスポーツであるのに対し、合気道は自分の心身を確立するためのもの。

・・・というと堅くなりますが、

要は「落ち着いた心を作り」、「健康な体を作る」為にあると考えています。

護身術はその結果できるようになるという事です。

詳しくは⇒（合気会本部道場のHP）http://www.aikikai.or.jp/aikido/index.html

2．どんな稽古をするか

①体捌き

　　柔道、剣道、空手等は向き合った二人の人間が対峙して技を競います。

　　合気道は、向かってきた相手と直接ぶつからないようにします。　

　　その為「円の動き」となります。

　　相手の力を円の動きでずらしたり、横に動いたり、相手の力をいなしたりすることにな　　

　　ります。

　　慣れてくると、相手の動きに連動して動けるようになります。

　　そのとき、足で地面を蹴るのではなく、腰を中心に回転しますので、ダンスのような動

　　きになります。

②相手の手をもって技を掛け合います。

　何故、相手の手を持つのか・・・「相手の手を掴んで倒す」ためではありません。

・手を通して技を掛け合うことにより、相手の動きと自分の動きを理解するためです。

・なれてくると、手を持たれなくても相手との間合いがわかり、相手の動きに自分の体を

　連動させて動けるようになります。（同じタイミングで動けるようになります）

・もっと上手くなると、相手の動きの“起こり”がわかるようになり、相手を＜制する＞事が

　できるようになります。

＊実戦合気道家として有名な塩田剛三先生は、実際は「体捌き」と「当て身」しか使わなか　　

　ったと言われていますが、相手のタイミングを完全に読んでいるから出来る事だと思いま

　す。

③受け身をとる。

　お互いに技を掛け合いますが、＜受けをとる人＞は＜技をかける人＞に合わせて受け身を　

　とります。

　重要なのは、「勝手に受け身をとる」のではなく、＜技をかける人＞の「技をかけようと

　する＜気＞」に合わせて受け身をとることです。

　相手の一部になったように受け身を取ることが必要です。

　そういった稽古を繰り返す内に、相手の動きを体感出来、理解出来るようになります。

　そうでないと「合気道」にならないのです。

3．大体以上のような動きですが、合気道の本質的な所は「合気」であり、私自身もっとも近いと感じているのは「社交ダンス」だと思っています。

それは、「相手とぶつからない」そして「相手に合わせる」からです。

そして最も重要なことは、相手と「ぶつからず」「円く回る」といった物理的な動作だけではなく、常に相手と「一体」になっているという＜意識＞を持つことだと思います。

4．上達するためには

　本道場では週に1～2回しか稽古出来ません。

　そんな状況で上手くなるためには、一人稽古が必要となります。

　初心者～経験者まで様々な段階の稽古方法がありますが、上達のレベルにあわせて説明し　

　ていきます。

※私は40歳代が一番稽古をしたのですが、会社の帰りに本部道場により（本部道場は毎日稽古が出来る）仕事があまりないときは、週に4，5回稽古していました。無論忙しいときは全く行けませんでしたが、それでも家で体捌きの練習はしていました。

※合気道の教本や動画もありますので参考にして下さい。

・「合気道――稽古とこころ (現代に生きる調和の武道) 」（植芝守央著）

・https://www.youtube.com/watch?v=EATYeoJeXUo

等です。