演武会を見ていると、動きが滑らかで画に書いたように技をかけ、そして倒れる人がいる。
見ていてとてもきれいに見える。
しかしそんな人でも素人には技が効かないことがある。
相手はただ痛そうな顔をするだけ・・・ということがある。
同じ道場でずっと稽古をしていると、動きがパターン化され、相手の動きや力加減で相手にうまく合わすことができるようになるからだ。
実は・・・私もそうだった。
最初に入門した自由が丘道場で「動きが良い」と誉められていた。
私が入門したのは体を壊しリハビリのために始めたので、当時は体は細く、筋肉もほとんど無くなっていたので筋肉に頼る動きにならず動きが滑らかだったのだと思う。
しかし本部道場に行くようになってから思うように相手が倒れてくれない事が多かった。
そして合気道学校というのがあったのでそこに入った。
そのときの先生が市橋先生だった。
体捌きがとてもうまかったのでマネをした。
以前よりうまくなったと思った。
そして3段になったころ市橋先生と友人達とニューヨーク合気会に合宿兼遊びで行った。
相手はでかい外人ばかり。
先生は同じように軽く相手を倒していたが、私は相手が痛がることはあっても簡単には倒れなかった。
どこが違うのかわからなかった。
そこでいろいろ試行錯誤するようになった。
いろいろな雑誌や本やビデオを買っては道場でそこに書いてあることを実験した。
合気道の有名師範や大東流の講習会やセミナーに出た。
高いときで1日20000円というのもあった。
確かに上手だったり強かったりするが納得はできなかった。
というよりその理由がわからなかった。
そして居合の道場が当時住んでいた祐天寺の家から歩いて10分のところに出来たので入門した。
そしていろんな試行錯誤をしていたとき、ふと気づいた。
「合気道」という以上「合気」が重要なのだ。・・・当たり前なのだが。
「相手の気に合わせること」がまず必要。
藤平先生にいわせると、そんな小さなものでなく「天地の気に合する」のが「合気」なのだそうだが・・・。
とりあえず、最低限でも「相手の気」にあっていなければ相手は倒れない・・・というのがわかった。
格好だけを真似していては「仏を作って魂を入れず」になってしまう。
では、相手の「気」とどのように合わせるかというと・・・うまく表現できないので、道場ではダンスに譬えて話している。うまい説明が出来るようになったらまた書いてみるつもりだ。
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