初段
潤君が初段となった。
高校生で初段は少ない。
英語で言うとブラックベルト。
あおぞら合気道では知っている同士なのでいつもの稽古だが、知らない相手と稽古をすると実力を試そうとする。
本部道場に行くと、知らない相手ばかり。
必要以上に力を入れて腕を持つ人が多い。
自分の方が強いと思ったら受身を取りにくくしたり、頑張ったりする。
自分の方が弱いと思ったら素直に受身をとる。
この点は日本人も外人も同じ。
もっとも相手が年寄りだと大体遠慮するが、自分より若いと遠慮なくかかってくる。
今から10数年前。確か5段だったころ、本部道場での稽古に袴を持っていくのを忘れて普通に帯を締めて稽古をしたことがある。
黒帯も長いこと使っていると色落ちて灰色になっている。
そのときの相手は私と同年代くらいのおばさんだった。
相手は白帯と勘違いしたらしい。
いきなり私の相手は腕をとれといわんばかりに目の前に手を差し出した。
その態度が癇にさわったので強く持った。
相手は固まって顔を真っ赤にして技をかけようとしたが動かない。
可哀想になって少し力を抜いてわざとらしくゆっくりと倒れてあげた。
そして私が技をかけるときかなり強く技をかけた。
相手は頭を打ちそうになったが途中で止めた。
その技の稽古が終わったとき、相手は「何年稽古をしているのですか」と聞いてきたので「20年以上」と答えた。
そして「なんで白帯ですか」と聞いてきたので「5段です」と言ったら、じっと僕の帯を眺めていた。
「袴を忘れてきたので」
といったら「帯の色は」と不思議そうな顔をしていたので「長年使っていたので色落ちしたのでしょう」と説明したら「失礼しました」といって以後は力を抜いて素直な稽古をしました。
その女性はおそらく2段になった程度だったと思いますが、相手の腕を持ち少し動けば相手の力量はわかると思います。
多分自分が普段稽古している道場では教えている立場なのかもしれません。それで[白帯なんかになめられては・・・」と頑張ってしまったのかもしれません。
スポーツ的な力ずくの稽古をしていると相手のレベルも測ることができなくなると思っています。
自分より強い人や理解を超えるような人は世の中にいくらでもいます。
気をつけましょう。
海外ではブラックベルトというのは武道をやる人間にとって憧れでもあります。
ということは嫉妬も買う対象になります。
要注意です。
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