「刃傷沙汰」という言葉を使わなくなって久しい。
しかし現実には、少し前に登戸で児童を襲ったり、交番の警官を襲撃したりする際に刃物が使われている。日本はアメリカのように銃の所持が認められていないからだろうが、最近やたらと目に付く。
昨日捕まった収監前の逃亡犯もナイフで収監に来た職員を脅して逃げたといわれている。
正直言って情けない。
むろん刃物で向かってくる相手を捕まえるのは簡単ではない。
合気道では五教で短刀取りを教えているが、あれはあくまで「型」でしかない。
向かってくる相手が必ず受けてを狙って「止めてください」といわんばかりのきれいなカーブを描いてくることはない。
偶々うまく相手の動きにあったとしても、必死でかかって来る相手の攻撃はそんなに簡単に止められるものではない。もし相手が自分より大きかったらまず無理だ。
ならばどうするか。
相手が刃物を持って襲ってきたらやることはまず距離をとる。
逃げるという手もあるが、距離が短い場合は逃げ切れないケースが多い。
熊に襲われたときと同じで相手に背中をみせて逃げたら、おそらく追いかけてくると思う。
距離をとってから、手に持っているものや石でもあれば拾って相手の顔にぶつけて、ひるんだ隙に逃げるのがいいと思う。
逃げる間もないような距離の場合、そのときは<やむを得ず>闘うことになるだろう。
そこで五教は役に立つか。
私が先生から習ったのは、相手が右手で横面打ちのようにしてかかってきたとき、そのナイフを持っている手を止めるのではなく、右手で相手の胸から首のところを掌で押すように打つのがいいと言われた。
養神館合気道の塩田先生が演武で弟子の首に指を当てて倒す技をやっているが、それと同じだと思う。
相手がかかって来る、その少し前に入り込むのが重要だ。
そして相手の態勢を崩してから持っている短刀を取り上げるときに五教を使うべきだと思う。
もし相手の動きが早ければどうするかというと、体捌きで避けながら相手の顔をはたく感じで放り投げることになる。これも塩田先生が演武でよく見せている。
具体的には次回の稽古の時にでもやってみるつもりだ。
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