最近の稽古は意識して少し固い稽古をしています。
私自身合気道は本来、相手と「気」を「合わせ」、相手とぶつかることなく、力と力での闘いに持ち込まず、相手を捌いて倒す・・・という事を主眼に指導してきました。
それは間違いなのですが、そればかりやっていて時々「大丈夫かな」という不安を持つようになりました。
合気道は柔道のようにかかって来る相手と正面からぶつかって投げたりするものではなく、相手に合わせて体捌きで<いなす>というものです。
しかし、現実に襲ってくる相手はゆっくり、ソフトにかかってくるわけではありません。
体全体に力をいれ思いっきりかかってきます。
やわらかい稽古ばかりしていると、興奮してかかって来る相手を前にすると体が固まってしまいかねないのではと心配するようになりました。
通常ですと足が固まり体が緊張してその場から動けなくなるという状態に陥ります。
それでは相手に負けてしまいますし、武道を習っている意味がありません。
それではどうするか・・・?
相手が興奮して襲ってきたら、それに同調するのではなく、相手の勢いを無視してマイペースで捌くべきです。
具体的には、まず相手の目を見てはいけません。
目を見るとそれに同調しやすくなり、動きが止まるからです。
体全体を見るべきです。
相手が興奮していると体が固まっているのがよくわかります。
力をいれれば入れるほどそうなります。
それに気づくと気持ちに余裕ができます。
「来るか!」といって緊張するのではなく「いらっしゃい」というようなゆとりある態度になれます。
そうすれば自分のペースで相手を捌くこともできるようになります。
もし自分が緊張しているようだと、まず最初に「ふっ」と息を吐いてください。
そして体を緩ませてから相手に合わせて動き捌いてください。
こころにゆとりが出来ると相手の動きもよく見えるようになります。
ただ、体捌きが十分出来ていないと、どう動いていいのかわからず、体が固まってしまいます。
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