久しぶりに木刀を使った稽古をした。
目的は体捌きの練習。
慣れないと木刀で掛かってくると恐怖感があるのだが、慣れると怖くなくなる。
相手が木刀とか杖などといった武道具だけでなく棒切れや鉄パイプなどといった危ないものを振り回してきたとき、どう対処するかの練習。
相手がかかってきたとき、木刀の軌道線上に固まってしまうと相手の思うツボになる。
木刀の場合だと、いわゆる<もの打ち>という切っ先の少し手前で打たれると痛いが、そこより手前に入れば、体にあたっても<打たれる>というより<押される>という感覚になるため痛くない。
そのような安心感を持てば、体捌きで相手の懐に入れのも楽になる。
相手が右上段に振りかぶって殴りかかってきたら、右足を一歩前に踏み出し、左側の腰を後ろ側に反転する。
丁度相手と相似形に動くということだ。
もし同じスピードで動くと、当然のことながらあたらない。
しかしそれを続けるのは大変だし、それでは護身術にならないので相手がぶつかってきたときにゆっくりと相手のもっている木刀に手をかける。そして相手のスピードをそのままにして、本当なら自分に当たるところだが、そこから右足を中心に反転しているのだからその場にいないので相手が狙ったその場所に誘導してあげる。
すると相手はひとりでに転んでしまう。
文書では表現は難しいが実際にやると簡単。
そして面白いことに相手は転んでも握っていた木刀をはずすことが出来ない。
これは木刀をもって相手を殴ろうとした時点で、その木刀も含めて自分自身がバランスをとっているからなのだ。
ただ立って木刀を持っているとき、その木刀を手放せばその場に落ちるだろうけれど、自分が木刀を握っているときはその手を開いて木刀を手放すということは難しい。
というのは、何らかの動作を行っているとき(例えば相手をその木刀で殴るなど)はその木刀をも含めて体のバランスをとっているので、木刀を無理に手放すと、新たにバランスを取り直さなければならないのでとても大変なのだ。
だから木刀などを持っている相手は素手よりも倒しやすい。
これも実際にやってみると良くわかる。
0コメント