暑いので体を密着させる技でなく、杖を使った稽古をした。
武道をやっている人間からすると「杖」という言い方をするが、知らない人からすると単なる棒に過ぎない。
杖を使い慣れている相手が現実に襲ってきた場合は結構大変なのだ。
というのは杖とは「突けば槍、払えば薙刀、持たば太刀、杖はかくにも 外れざりけり」というほど使い勝手が良いからだ。
一般的には宮本武蔵を破ったといわれている夢想権乃助が創始した神道夢想流杖術が有名である。
私も今から20年位前に家の近くに剣術・居合・杖を教える有信館という道場で一応習い目録免許というものをもらっている。
が・・・殆ど忘れた。
いくつかの型があるが多くは「剣対杖」という形になっている。
興味のある方はYOU TUBEで「杖術」を見て欲しい。
ただ、「杖術」も普通の筋肉を主体とした動きではあまり実践的でない。
相手が力いっぱい打ってきたのを力づくで跳ね返すというのはかなり無理がある。
相手が合わせてくれないと型が成立しなくなるのは所謂スポーツ合気道と同じ。
相手と対峙して「ヨーイ・ドン」と一緒に向かい合うと力がぶつかり合いそこで両者が固まってしまう。
力がぶつかり合うポイントを少しずらせばいいのだが、筋肉反射では足、腰が固まって身動きが取れないのだろう。
もし相手とぶつからず相手を押さえるとしたら、相手と同時に動ける体捌きが出来ないと無理だと思う。
you tubeで、杖対剣、杖対杖といった演武が見られるが、殆どは攻撃する人が本気でなく、受ける側の杖に当てるように動いている。
攻撃するほうも、受けるほうも、おっかなびっくりでやっているように見える。
そうでなく本気でやっているのは合気道の砂泊先生の演武だ。
いくつか映像が残っているが、多人数がけでなく、一対一でやっているのがわかりやすい。
他に塩田先生もやっているが砂泊先生のように杖対剣、杖対杖という形ではやっていない。
しかしいずれも簡単に体捌きで相手をしている。
自分が杖を習ったときはまだ体捌きがキチンと出来ていなかったので、やはりおっかなびっくりの型稽古だったから、映像を見てもよくわかるのだ。
おそらく古武術の「型」というのは体捌きが出来ない人は単なる「型の為の型」以上のことは出来ないだろう。
その意味でも合気道で教えている体捌きはとても重要だとおもう。
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